前回はアーノンクールのモーツァルトしか紹介できませんでしたので、今回はいくつか紹介していきたいと思います。
まず・・
スカルラッティ:ソナタ集 イーヴォ・ポゴレリチ
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ですね。
このアルバムはですね、私的には大・大・大傑作です。
今まで聴いたピアノアルバムの中で一番好きかもしれません。
なにせ、何度聴いても飽きないし、感情的に引っ張られないし、超クールで磨きぬかれた宝石みたいな演奏で良いのですよ。
何故、感情的にならないのが良いのか?
それは、演奏が感情的だと非常に疲れるからなのです。
特に、ロマン主義のピアノ作品群(ベートーヴェンやショパン)は表現が濃くて感情的で重いので、たまに聴くのはいいんですが、普段聴きになると辛くなってきます。
クン・ウー・パイクのベートーヴェン:ピアノソナタを聴きながら車の運転をすると、あまりの表現の激しさにびっくりしてクラッシュしそうになります。
胃もたれもならぬ耳もたれですね。
ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番「悲愴」&第14番「月光」&第23番「熱情」 中古価格 |
※現在絶盤で、プレミア化していますがApplemusicで聴けます。これは絶対聴いておいた方が良いでしょう。まるでベートーヴェンの霊が憑依したかのような激烈な演奏です。
このスカルラッティ:ソナタ集は、作曲者がドメニコ・スカルラッティ、演奏がイーヴォ・ポゴレリチですね。
クラシックにあまり興味の無い方は知らないかと思いますが、スカルラッティはバッハと同時代(18世紀)でバロック音楽に属する作曲家になります。
ピアニストのイーヴォ・ポゴレリチはクラシック界の異端児ですね。
1980年の第10回ショパンコンクール”ポゴレリチ事件”の一連のエピソードは凄く面白いですね。
権威あるショパンコンクールでのポゴレリチの常軌を逸した演奏、行動、発言が逆に彼を一気にスターダムに押し上げました。
以前紹介したダン・ケネディから学ぶ 「稼ぐ社長」の作り方で、「1日1人、誰かを怒らせろ」というのがあります。
誰かの反感を買うような強烈なメッセージを発しないと、誰にも注目されないし、成功することは出来ないということです。
実は、五行易の考え方でもそうなんです。
五行易では、六親五類(りくしんごるい)という概念があります。
その中に官鬼(かんき)というものがあり、仕事、災い、悩み、いやなもの、悪人などの意味があります。
ほかにも名前の意味もあり、有名人になりたい、自分の名前を売りたいなどの時は、この官鬼を強さを見て吉凶を判断していきます。
これらのことをふまえると、
悪人と有名人は同じ官鬼に属することになります。
誤解しないでください(汗)
有名人が悪人ということではなくて、五行易で見る場合はどちらも同じ官鬼を見るということです。
ということは、他人に反感をもたせるぐらいの人じゃないと、有名になれないということですね。
自分の強烈なアンチを作らないと、強烈なファンが出来ないのです。
ポゴレリチの場合は、権威あるショパンコンクールの旧態依然とした審査員(アンチ)を敵にまわしたことにより、注目を浴びたのです。
でもこの方法は危険きわまりないです。
ピアノコンクールですから、本人の実力がないともちろん参加すら出来ません。
聴いてもらえばわかると思いますが、ポゴレリチのテクニックは正確無比でものすごいうえに、解釈も非常に個性的です。
それらの土台(実力)があってこその戦略だと思います。
だって、実力がないのにそんなことをやっても周りに無視されるに決まってますから。
また、その審査員の中にマルタ・アルゲリッチという当時大スターの天才ピアニストがいました。
彼女はポゴレリチのことを非常に高く評価していました。
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※これもApplemusicで聴けますよ。チャイコフスキーピアノ協奏曲第一番の爆発力は圧巻です。また、このアルバムにもスカルラッティのソナタが一曲だけ入っていますが、それを聴いてもらうだけでもアルゲリッチの凄さがわかります。なにせ演奏が変幻自在で、ピアノがまるで生物みたいに感じられてくること請け合いです。
ポゴレリチを高く評価する理解者(ファン)であるアルゲリッチの「ポゴレリチを落選させるなら、私は審査員を辞退する」という行動を引き出すことにより、これらの型破りのやり方は成功したのでしょう。
強い影響力のある有名人を味方につける戦略ですね(ポゴレリチがそこまで考えて行動したのかは謎ですが・・)。
天才は天才を知るってことでしょうか。
これらの方法はたくさんの人々の注目を集めるので、ポゴレリチは優勝していないのに、優勝者のダン・タイ・ソンより有名になってしまいました(笑)。
なんだか、ポゴレリチがとんでもない人みたいなイメージを持たれたかもしれませんが、実際セルフプロデュースに長けた天才であることは確かなので、よろしければ聴いてみてください。
あ、もちろんポゴレリチのショパンもいいですよ。
特にオススメはこれです。
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※これもApplemusicにあります。
まるでクトゥルフ神話の世界に迷い込んだようなショパンなので、取り扱いにはご注意を(笑)