五行易的 ”風雷益” の見方(64卦シリーズ-36)

前回は、穏やかで家庭的な意味を持つ『風火家人』でした。

風と火は陰の性質を持つ同士であり、何せ風と火は外部の影響を受けやすく、内向き(消極的)で安定している状況なので、外向き(積極的)になればとたんに安定を失いやすいという危うさを秘めています。

 

今回は

 

 

風雷益(ふうらいえき)

 

 

です。

上半分の外卦は巽(そん)です。

陰の木でこれは長女の意味です。

下半分の内卦は震(しん)です。

陽の木でこれは長男です。

陰が上で、陽が下で陰陽が正しく配置されています。

陰は降下し、陽は上昇して陰と陽が交わるからです。

陰陽が正しく交わり、自然と利がある意味になります。

しかし、陰が外卦にあるのは、外側が陰ということで、自分の外側から不利益をこうむる意味を含んでいます。

 

次は六親や爻位から見てみます。

世爻は自分で、財産の意味のある妻財があり、これは自分に利が出てお金が入ってくることです。

しかし、六爻に応爻があり、これは他人の意味で、妻財の忌神である兄弟卯木があります。

兄弟は妻財を剋する五行なので、奪うという意味があります。

これは、自分が持っている財産を他人が奪おうとしていることなのです。

風雷益は利益、富が増す、長所、メリット、融和などの意味がありますから、基本的には良い卦ですが、いくら良い運気だからといって、調子に乗って自分の利益ばかり追求すれば、他人からいらぬ嫉妬をかい、結果的に損をすることにもなりかねないので注意が必要です。

また、二爻にも兄弟寅木があります。

二爻は家の爻位であり、妻財を剋する五行であり、これは最終的には家にお金が集まらないことになります。

以上のことから、良い意味ばかりではなく、風雷益は損失、危機などの意味を暗に含んでいます。

 

 

※五行易は月日の十二支からの影響を見て、用神が強いか弱いかで吉凶を判断しますので、下記の説明は鵜呑みにせず、参考程度に留めてください。あくまで、卦自体の象、六親、爻位の関係性から見た仮の吉凶ということです。

 

仕事運 ★★★★ 用神は官鬼

悪くないです。

官鬼が世爻(自分)に隠れて相合関係になり、これは非常に気に入った仕事を持っている暗示です。

 

異性運

男性の場合 ★★★★ 用神は妻財

悪くないです。

世爻に妻財辰土があり、これは女性が自分の手元にいることを暗示します。

が、妻財が二つあり、他の女性の影も見えます。

また、応爻は他人であり、兄弟があるならば、妻財の土にとって忌神であり、ライバル、邪魔者の意味になります。

応爻が動爻になってしまうと一転凶になります。

 

女性の場合 ★★★★ 用神は官鬼

悪くないです。

世爻が官鬼を生じる五行であり、伏神で隠れて、その上相合関係です。

相生関係は相性が良く、相合は惹かれあうなどの意味があります。

この場合は世爻が官鬼を生じていますので、自分が相手を熱烈に愛しているという暗示です。

また、官鬼酉金は世爻の土にとって沐浴の十二運であり、三爻は寝室の爻位であります。

官鬼が世爻に隠れて、裏でこっそりと付き合う意味になり、ベッドで親密な仲になっていることを表します。

また、応爻は他人であり、兄弟があるならば、ライバル、邪魔者の意味になります。

応爻が動爻になってしまうと、ライバルに彼氏や夫を奪われる暗示です。

 

金運 ★★★★ 用神は妻財

悪くないです。

妻財辰土が世爻にあり、隣にある四爻の妻財未土も墓の十二運に入れて、これはお金が懐に入ってくる暗示です。

原神である子孫巳火も強い爻位である五爻にあり、良い組み合わせです。

しかし、応爻に妻財の忌神である兄弟があります。

応爻は他人、他所の意味であり、強くて動爻になれば、世爻の土を剋してしまい、他所でのお金の損や他人にお金を奪われる可能性が高まりますので気をつけましょう。

 

学業運 ★★ 勉強、資格などの用神は父母、試験は官鬼

勉強運はイマイチです。

勉強、資格の意味である父母は水です。

世爻は土の五行であり、これは水を剋して弱くしてしまい不利になります。

しかし、世爻の十二支は辰であり、十二運で水の墓になります。

これは、辰である自分が、勉強や資格を自らの手中の収める(資格を取る、科目をマスターする)意味になり良いところもあります。

ただし、世爻は月破や空亡にはならず、父母自体が強いことが条件です。

 

試験運はそんなに悪くありません。

世爻に合格に意味のある官鬼が隠れているからです。

これは、合格がすぐ近くまで来ているという暗示になります。

ただし、自分の努力が必要なのは言うまでもありません。

 

外出運 ★ 用神は世爻

応爻は目的地の意味があります。

世爻の土を剋する五行である木があり、相剋関係で良くありません。

六爻は遠方の意味があり、遠くへの旅行はなるべく控えたほうが無難です。

特に応爻の兄弟卯木のみ発動してしまうと凶の度合いが高まります。

 

創造力・アイデア運 ★★★★ 用神は子孫

良いです。

子孫巳火が五爻にあり、世爻が土で相生関係になります(火生土)。

特に応爻の五行が木であり、子孫を生じて(木生土)、他人や他所から、アイデアや創造力が高まるような良い影響を受けます。

 

健康運 用神は世爻

官鬼は病気の意味があり、世爻に伏神で隠れているということは、病気が内部にあるということです。

世爻は三爻で、これは人体に対応させれば胃の爻位です。

土も胃の意味があり、これは胃病にかかりやすい暗示です。

応爻は他人、相手の意味であり、兄弟卯木があり、世爻を剋しています。

これは、他人からストレスを受けるということであり、その面からの胃への影響もあるかもしれません。

 

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