五行易的 ”兌為沢” の見方(64卦シリーズ⑨)

えー、この64卦シリーズですが、この前の火天大有(かてんたいゆう)で、乾(けん)宮の八つの卦が終わりまして、今回から兌(だ)宮の卦を紹介していきたいと思います。

 

今回は、

 

 

兌為沢(だいたく)

 

 

になります。

兌為沢ですから、上半分下半分ともに兌の卦になります。

兌(だ)自体に意味は、沢(澤)とか、少女とか、口の意味がありますが、ここでは口に意味をとります。

そうすると、口が二つ重なる卦になりますので、二人の口が喋っていることを表します。

基本的には、人と話すことなので、コミュニケーション、楽しいとか、快楽の意味もあります。

しかし、喋りすぎれば「口は災いの元」で、結局は嫌われやすくなってしまったり、快楽を求めて行動しやすいので、欲求不満になりやすく、愚痴や不満も多くなりやすいです。

なぜかといえば、兌は欠損の意味があり、快楽を求めての行動は、短期的には満足出来ても、また次の快楽を求めるので、常に不満足を生み出し続けるからなのです。

 

次は六親五類、爻位の組み合わせから見てみます。

世爻(自分)が六爻(下から六番目)にあり、六爻は頭や顔の爻位になります。

五爻には酉金がありますが、金の五行は音を表します。

そうすると、世爻の土が金を生じる(相生関係)ので、自分の口から音を出す、すなわち喋るということになります。

この卦はいわゆる六冲卦(八純卦)ということで、不安定、闘争、不和、離れるなどの意味があります。

※初爻と四爻、二爻と五爻、三爻と六爻の地支同士が相冲関係になるのを六冲卦といいます。

出典:wikipedia

※赤の点線を結んだ関係

そうすれば、必然的に世爻(自分)と応爻(相手)の地支が相冲関係になってしまうので、特に口論や人間関係の不和が出やすいということになります。

また、兌は少女という意味もあり、思慮が浅く、移り気で、感情の起伏が激しくなりやすい状態なので、特に自制心が求められる卦ではあります。

 

 

※五行易は月日の十二支からの影響を見て、用神が強いか弱いかで吉凶を判断しますので、下記の説明は鵜呑みにせず、参考程度に留めてください。あくまで、卦自体の象、六親、爻位の関係性から見た仮の吉凶ということです。

 

仕事運 ★★★ 用神は官鬼

官鬼巳火の五行が火であり、世爻を生じて(相生関係)で良いですが、初爻(一番下)は一番地位が低い意味があります。

世爻が六爻(一番上)にあり、六爻は退出、最後、引退などの意味があり、あまり重要ではないポストや重用されないということになるので、出世運などを占うと不利になります。

 

異性運

男性の場合 ★★★ 用神は妻財

恋愛の場合は、刺激的で楽しい間柄になり、そんなに悪くないです。

しかし、結婚の場合になると別です。

二爻は家の爻位で、妻財は妻であり、家に妻がいることになりますが、兌は缺(あくび)が出る意味で、つまり家で一緒に暮らしてもあくびが出る関係ということで、お互いの気持ちに距離ができやすくなります。

また六冲卦は離れるなどの意味があり、世爻(自分)と応爻(妻)が相冲関係で、妻財卯木は世爻を剋する五行ですから、口論が出やすくなります。

初爻と二爻が同時に発動するのは凶で、自分と妻ともども他に愛人を作りやすいことになります。

女性の場合 ★★★ 用神は官鬼

恋愛は男性の場合と同様、口ケンカも多いですが、刺激的で楽しい間柄となります。

しかし、結婚となると良くないです。

夫の意味のある官鬼が世爻(じぶん)を生じて相生関係になり良さそうですが、世爻は六爻(一番上)にあり、官鬼は初爻(一番下)にあり、六爻は天、初爻は地として二人が別々に住むという解釈になり、これは非常に距離が離れて暮らすということです。

つまり、別居しやすいということです。

実際に別居までしなくても、家庭内別居(精神的に別の場所に住む)などの意味も含んでいます。

初爻と二爻が同時に発動するのは凶で、自分と妻ともども他に愛人を作りやすいことになります。

 

金運 ★★★★★ 用神は妻財

金運を見れば、乾為天(けんいてん)と似たような組み合わせで、二爻は家で財産の意味のある妻財があり、これは家に財産が満ちると解釈でき非常に良いです。

また世爻の地支に未土があります。

未土は五行の十二運でいえば、木の墓(墓庫)になり、自分でお金を手に入れる意味があります。

※木と未が交差するところ

兌は弁論、演説の意味がありますから、自らのトークスキルを頼りに他人のお金を自分の金庫に収める意味になり、特に口を使う職業(セールスマン、ホステス、弁護士、占い師など)に有利になります。

 

 

学業運 ★★★ 勉強、資格などの用神は父母、試験は官鬼

学習、成績の意味のある父母が世爻にあり悪くはないですが、兌自体に楽しみ、快楽の意味があり、また世爻が六爻にあり、六爻は最後の爻位でもあるので、やる気が無く、サボりやすくなってしまうでしょう。

試験運で見ると、官鬼の五行が火で世爻を生じて(相生関係)良いですが、競争相手の意味のある応爻にあり、世爻より近いので不利になりやすいです。

 

 

外出運 ★★★ 用神は世爻

世爻が六爻にあり六爻は遠くや外国の意味で、長距離の外出になりやすいです。

また、父母には乗り物の意味があり、乗り物に乗って出かける意味であり、車や電車の意味にもなります。

応爻には父母丑土があり、世爻の未土と相冲関係になります。

世爻や応爻が発動して、なおかつ世爻が弱い場合は交通事故などに注意です。

また、兌為沢は楽しいの意味がありますが、はしゃぎすぎると失敗したり、六冲卦で対人トラブルがあります。

 

創造力・アイデア運 ★ 用神は子孫

悪いです。

子孫の五行は水です。

世爻の五行は土です。

世爻は六爻で頭の爻位であり、知識の意味のある父母があり、知識を詰め込みすぎて、頭でっかちになっている暗示であり、土は水を剋して、あまり創造性を発揮できない象です。

兌為沢は『喋る』の意味で、その溜め込んだ知識を他人に喋ることで、新たなアイデアが浮かびやすくなります。

 

健康運 用神は世爻

世爻に強さ次第ですが、六冲卦なので新しくかかった病気は吉になりやすく、長くわづらった病気は凶になりやすいです。

なぜかといえば、六冲卦は離れるの意味があり、新病の場合は病気がすぐに離れていくことを表す為です。

反対に長く患った病気は、すでに病気になっている期間が長いので、六冲卦が出れば不安定、激しいなどの意味になり、悪化する可能性があるのです。

 

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