アンリ・マティスの命式を読む

前回はマルセル・デュシャンを取り上げたら、この人も取り上げないと行けないでしょう。そうアンリ・マティスです。命式も極彩色の中に暗い色がアクセントとなって余計に華やぐのです。

 

1869年12月31日20時生まれ

冬生まれの丙です。寒い季節なので火が欲しいですが、月干にもあって年支にもあって火の勢いが強いです。時柱に燥土が二つあります。なので、火(自分と仲間)と燥土(食傷→表現)の党派を形成して、日支、月支を制御する形です。日支は財で月支は官殺です。なので、名声が上がります。ただ地支なので大運で外に引き出されるのが条件です。が、日支は夫妻宮で制御してしまえば妻に良くありません。なので、家庭は安定しません。

絵を描き始めたのは、1889年(己丑)の甲戌の大運です。21歳の時、虫垂炎になったのがきっかけです。以前に取り上げたフリーダ・カーロも日干丙で、乙丑年の事故で入院してから絵を本格的に描き始めたので、パターンが似ています。違いは羊刃と血刃がカーロにはあり、マティスは亡神(申)のみなのが関係しているかもしれません。亡神は病気や体調不良など、身体の内側から起こる災厄を暗示します。申は大腸の意味もあります。

28歳〜37歳は癸酉の大運です。官殺と財が巡ってきて良い時期です。1898年(戊戌)29歳の時に結婚します。正財の酉が巡ってきたからでしょう。またこの頃にフォービズムのリーダーの一人として活躍し話題になります。これは正官である癸の作用でしょう。それからはずっと財である金の五行が巡っていますので、官殺と財の調和を果たして精力的に活動を続けて有名になり続けます。

48歳から辛未の大運です。大運から水(官殺)の五行が消えます。ちょうどその年は1917年(丁巳)で、コート・ダジュールのシミエからニース郊外へ引っ越しています。それから約10年間の作品は、以前のフォーヴィスムの荒々しい色彩と輪郭線(水の事象と思われる)に比べるとかなり柔らかくなり、古典回帰へ向かいます。自分を抑えていた官殺が消え、食傷が巡ってくるのですから、自分本来の絵とは何か?を見直す時期だったかもしれません。

1930年(61歳・庚午の大運)になると作品に変化が現れ、フォーヴィスム時代以上の大胆な簡略化が行われるようになります。その一方で色彩はかつてのような荒々しさは消え、古典回帰時代のように抑えられた色彩が使われます。庚は金で改革・刷新の意味があり、羊刃である午が来れば積極性が増し大胆な表現を好むようになります。

68歳から己巳の大運に変わり財がなくなります。巳と日支の申が合して申が火に変化してしまい、妻と関係が悪化して離婚(1939年・己卯)します。新たな愛人も出来ますが、その愛人も離婚の原因となった感じて罪悪感からか自殺未遂をしてしまったり、娘もナチス侵攻に伴いレジスタンスとして捕虜となったりして家庭環境が激変します。

また、1941年(辛巳・71歳)に十二指腸癌にかかってしまいます。手術は成功したものの、深刻な後遺症を発症して3ヶ月間寝たきり状態となりました。大運と流年で同時に巳が巡ってきて日支の申と合します。これも亡神の申(坤・腸の意味)の影響でしょう。これをきっかけに紙とハサミだけで新しい芸術スタイルの模索を始めます。1943年(癸未)に『Jazz』という最初の主要なカット・アウトの作品集を制作します。

78歳から戊辰の大運です。体調は優れないまでも創作を続けますが、1954年11月3日(84歳・甲午)に心臓発作で亡くなります。もともと時支の戌が空亡です。食神がもともと空亡なので、寿命を表しやすいです。辰は同時に戌を冲するので空亡を開けます。なので、画家として一生を終えたのでしょう。

 

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