前回は天澤履でしたが、実は私が好きな64卦の一つです。
私は占い師をやっていますが、かなり陰の影響を受けやすい仕事で、自分で陽の気を強くしなければ、確実に陰の気にやられます。
天沢履は世爻が申で陽の十二支、しかも陽爻であり、外卦も乾で陽、内卦は陰で、しかも五行は金で非常にバランスがよいです。
しかも、世爻も金であり、金は音で、五爻は口で、弁が立つ、他人を説得させやすいことを表します。
そして、応爻の官鬼は悩み、世爻が剋して相手の悩みをとくことが出来るのです。
今回は
風澤中孚(ふうたくちゅうふ)
です。
上半分の外卦は巽(そん)です。
巽は陰の八卦であり、風の意味があります。
ここでは、順(さからわない・他の物の力にしたがう・素直・おとなしい)の意味です。
上半分の内卦は兌(だ)です。
兌は金の五行であり、音・喋るの意味があります。
ここでは、説(人に物事のすじみちを話して自分の意見に従わせる)です。
意味を組み合わせれば、有言実行ということです。
『中』は、真ん中であり、これは人々の中心にいる人、すなわち王を表します。
また、『孚』には、まこと・まごころの意味であり、すなわち忠信を意味しています。
外卦と内卦の接する爻位である、三爻と四爻が共に陰爻です。
外卦は民を治める人、内卦は民衆です。
王の誠意ある有言実行に民衆が感服し従い、真心が通い合うことを表します。
故に風沢中孚は『信』を表しているのです。
六爻や六親の組み合わせから見れば、自分の意味がある世爻には未土があります。
未土は十二運では、木の墓になります。
木の五行は優しい・慈悲の意味があります。
墓は収めることで、ここでは自分が持っている性質を表しています。
ここでは、優しくて、律儀であり、人情深いことです。
また、世爻の五行は土であり、土は『信』の意味があります。
応爻は相手・他人の意味で、五行は火です。
火は土を生じる関係であり、相手や他人の信頼を得ることになります。
以上のことから、風澤中孚には信頼・真心・忠心・孝行・承諾・親友などの意味があります。
基本的に風澤中孚は、他人との関係や、精神面の充実には良い卦ですが、物質面を占えばあまり良い運ではありません(汗)
でも、人間という生物は一人では生きていけませんから、対人関係が良ければ、かなりストレスを減って、それだけでも充分メリットがあります。
損得勘定が無い、互いを信頼した親友みたいな関係というのは、貴重な宝です。
また、この卦は遊魂卦(ゆうこんか)です。
卦を見ると、二爻と五爻は天人地で分けると、内卦の人の爻位、外卦の人の爻位となります。
共に陰爻で、これは家(二爻)にいる人が、道(五爻)にふらふらと遊びに出かけていくことを表します。
なので、遊魂卦は別れる、出かける、不安、さまようなどの意味があります。
※五行易は月日の十二支からの影響を見て、用神が強いか弱いかで吉凶を判断しますので、下記の説明は鵜呑みにせず、参考程度に留めてください。あくまで、卦自体の象、六親、爻位の関係性から見た仮の吉凶ということです。
仕事運 ★★★ 用神は官鬼
まあまあです。
用神である官鬼の五行が木で、世爻の土を剋しているからです。
しかし、世爻は未土で十二運で、木の墓になります。
墓には管理の意味がありますから、これは官職・事業を自分の手元に掌握できるということで、仕事運は悪くありません。
ただし、世爻が弱いと仕事のプレッシャーに負けて、ストレスが増大します。
異性運
男性の場合 ★ 用神は妻財
悪いです。
まず、用神である妻財が五爻に隠れて伏神です。
伏神は本卦に現れていないということで、縁が薄くなりやすく、例え妻財が強くても、短期的な付き合いになりやすいです。
そして世爻の五行が土で、妻財の水を剋する関係であり、マイナス面が多くて相性が悪いです。
女性の場合 ★★★ 用神は官鬼
まあまあです。
用神は官鬼で仕事運を見るときと同じ組み合わせです。
官鬼が世爻を剋しますが、世爻が官鬼の墓であり、相手を自分の手元に持って来る暗示です。
しかし、官鬼が二つあり、複数の男性と縁があることで、誰を選ぶか迷いやすいです。
原神である妻財が伏神で隠れて、長続きする関係にはなりにくいです。
金運 ★ 用神は妻財
悪いです。
五爻に妻財があり、大金という意味がありますが、伏神で隠れて、世爻が忌神になり、良くない組み合わせです。
学業運 ★★★ 勉強、資格などの用神は父母、試験は官鬼
勉強・資格運は良いです。
用神である父母の五行が火であり、世爻の土を生じている為です。
風澤中孚は真心の意味がありますから、真剣に勉強に向き合った分だけ成果が上がる暗示です。
試験運はまあまあです。
用神は合格の意味のある官鬼で、世爻を剋していますが、世爻が官鬼の墓で、これは合格を手に入れやすい暗示です。
ただし、世爻が月破や空亡で弱ければ、官鬼を墓の中に入れていることが出来なくなり、逆に合格が遠のく意味になります。
外出運 ★★★★ 用神は世爻
良いです。
応爻の五行は火であり、世爻は土です。
これは、目的地から生じられているということで、外出すれば世爻が強くなり、有利になります。
創造力・アイデア運 ★★ 用神は子孫
あまり良くないです。
子孫の五行は金で、三爻に伏神で隠れています。
飛神は丑土で、金の墓であり、これは地中に鉱脈が埋まっているような情景を表します。
世爻が未土で、丑土と相冲する関係です。
世爻が動けば、丑土を冲して、鉱脈である申金を取り出すことが出来るので、創造性を発揮するには自らの努力が必要なことになります。
健康運 用神は世爻
三爻は寝室の爻位です。
世爻の十二支は未土であり、三爻は丑土です。
そうすれば、寝室の爻位と相冲しています。
相冲は離れる、移動の意味があり、意味を合わせれば、寝室で落ち着いて眠れないということになります。
よって、睡眠関係の問題が出やすいです。