前回の地天泰は平和、安寧の意味があり、周易的には良い意味になりますが、五行易的に見ると、意外ネガティブな側面も隠れていて油断出来ないですね。
今回は
雷天大壮(らいてんたいそう)
です。
上半分の外卦は震(しん)です。
震は陽の八卦であり、『動』の意味があります。
下半分の内卦は乾(けん)です。
乾は陽の八卦であり、『大』の意味があります。
意味を組み合わせると、共に陽で大きなモノが激しく動くということで、『大壮』となります。
爻位や六親から見てみると、自分を表す世爻は父母です。
父母は大地の意味があり、これは自分の土地を持っていることです。
四爻は君主の意味のある五爻より一つ下の爻位です。
世爻は火で五爻の金を剋して、君主の位を奪う形です。
自分で土地を所有し、あと一歩で君主になれるような勢いのある状態を表します。
そういうことから、壮大・繁盛・繁栄・強い・勢い・発展などの意味になるのです。
雷天大壮は『下克上』を表していますので、非常に激しい卦になり、しかも自分には勢いがありますから、周りとの軋轢を生みやすいです。
あまり、調子に乗らないように注意することが肝心です。
タロットでいえば、『戦車』のカードの意味に似ていると思います。
また、この卦はいわゆる六冲卦(八純卦)ということで、不安定、闘争、不和、離れるなどの意味があります。
※初爻と四爻、二爻と五爻、三爻と六爻の地支同士が相冲関係になるのを六冲卦といいます。
※五行易は月日の十二支からの影響を見て、用神が強いか弱いかで吉凶を判断しますので、下記の説明は鵜呑みにせず、参考程度に留めてください。あくまで、卦自体の象、六親、爻位の関係性から見た仮の吉凶ということです。
仕事運 ★★★★ 用神は官鬼
妻財は部下の意味があり、初爻も部下の爻位です。
子水で世爻の午火を剋する形であり、その上相冲関係です。
これは、部下が反感を持ちやすく、関係が悪いです。
しかも、世爻は火で五爻を剋していますから、上司とのソリも合わないです。
が、官鬼の五行が木で世爻を生じて仕事自体の相性は良く、世爻に努力の意味のある父母があります。
これは、人間関係のマイナス面をバネにして、仕事に対するモチベーションを高めて、乗り越えていく暗示になります。
異性運
男性の場合 ★ 用神は妻財
悪いです。
妻財は妻、彼女の爻位である応爻に収まって、特定の相手がいる暗示ですが、妻財は子水で、世爻は午火で、剋されると同時に冲されています。
これは、相手に責められたり、不満を持たれやすい暗示です。
雷天大壮は六冲卦であり、なかなか安定した関係が築けないでしょう。
女性の場合 ★★★ 用神は官鬼
まあまあです。
官鬼の五行が木で、世爻が火で生じられているので、相性は悪くないです。
世爻の五行は火で陽爻であり、これは自分が怒りっぽくなり、男性的な性格を持っています。
官鬼も陽爻で、陽の十二支の寅木で、火の五行より、若干優しくなりますが、男性的な性格です。
なので、さっぱりした間柄なのですが、相手とぶつかることが多くなります。
応爻も相手の意味になりますから、妻財があるということは、官鬼を生じて良いことですが、妻財は女性の意味があり、相手に他の女性が出てきたり、もうすでにいる暗示になりやすいので、注意が必要です。
金運 ★★ 用神は妻財
あまり、良くないです。
妻財は子水で、世爻の午火を剋する自体は良いのですが、これは相冲関係です。
相冲は離れるという意味がありますから、少し悪い組み合わせになります。
そして、妻財子水は初爻にあるので、これは少額の意味になるので、お金が入ってきたとしても、少ない暗示です。
学業運 ★★★★ 勉強、資格などの用神は父母、試験は官鬼
良いです。
勉強・資格の意味のある父母が世爻にあり、良い組み合わせです。
なぜ良い組み合わせかといえば、父母が世爻に来るということは、子孫を剋するということです。
子孫は遊び・休暇の意味があり、父母は子孫を剋して、遊ばない・休まないということになり、すなわち努力するという意味になります。
試験運も良いです。
官鬼の五行は木であり、世爻が生じられているためで、これはうまくいきやすい暗示になります。
ただし、六冲卦は闘争・競争の意味があり、競争が激しくなりやすいので、油断は禁物です。
外出運 ★ 用神は世爻
良くないです。
応爻は目的地であり、世爻が剋されて、相冲関係出かけても不順です。
その上、六冲卦ですから、不安定・迷うという意味になり、父母は乗り物関係で、交通機関での不順や、道に迷いやすいという暗示があります。
創造力・アイデア運 ★ 用神は子孫
悪いです。
子孫が五爻で、これは道であり、外の意味です。
重要なアイデア・創造性のヒントは道端に転がっているのですが、世爻が子孫を剋してしまうので、そのヒントに気づけない暗示です。
健康運 用神は世爻
この卦は六冲卦であり、離れるという意味があります。
なので、掛かったばかりの新しい病気を占えば、自分から病気が離れるということで良いです。
しかし、長く患っている病気を占えば悪化したり、病状が安定しないことになり、あまり良くないです。
世爻が四爻にあり、午火があります。
四爻は胸の爻位であり、火の五行があれば心臓の意味になります。
もし、ここが弱ければ東洋医学でいえば、心・小腸系が弱いということであり、血液の供給が悪いということになります。