卜筮正宗のシリーズも4回目を迎えました。
今回の例は非常に勉強になる卦なので、初心者の方は読んだほうが良いですよ(笑)
巳月乙未日(辰巳空亡)に、一人が自らの病を占い、沢風大過から火風鼎に変わるという卦を得た。
これは要するに病気占いなので、占った本人を表す世爻を用神とします。
世爻には父母亥水があります。
月は巳火で剋されていないですが相冲関係になり、これは月破です。
月破は月の十二支から用神が攻撃を受けて、用神のエネルギーがバラバラ(冲散)になることを表します。
日は未土であり、亥水は剋されて非常に弱いですね。
次は原神を見ていきます。
五爻の官鬼酉金が動爻であり、回頭生で世爻を生じます。
忌神は六爻の未土で世爻を剋しそうですが、五爻の原神が発動しているので、土→金→水という五行の相生の流れになり、これを「生を貪ぼりて剋を忘れる」といいます。
ここでは土が水を剋することを忘れて、金を生じることに夢中になっているということですね。
しかし、ここでは用神の亥水が元々弱いので、「樹の根が無いような状態(無根)」であり、いくら根の無い樹に水をあげても育たないことを表し、原神が世爻を生じたとしても用神は強くなりません。
で、結果は「卯日に亡くなった」と書いてあります。
なぜかといえば、卯木は水の死(十二運)であり、原神は魂を表し、酉金を冲して酉金の世爻を生じる力が無くなる(体から魂が離れる)からであり、そうすれば忌神の未土の剋を避けられないことになるからです。