前回は、自分のメリットを考えずに、ただ必要とされるときだけに相手に与える というような、無私の精神を試されているような水風井でした。
今回は、
沢風大過(たくふうたいか)
です。
上半分の外卦は兌(だ)です。
これは沢であり、水の意味です。
下半分の内卦は巽(そん)です。
これは木の意味です。
組み合わせから想像すると、木の上に水があり、少し違和感があります。
これは、木がたくさんの水に浸かっている状況を表します。
水は本来は木の成長を促すものですが、普通は木が浸かるほどの水はいりません。
よって、これは大過(過剰)という意味になるのです。
次は六親や爻位からの意味を見てみましょう。
卦には木の五行が見当たらず、伏神として隠れてしまっています。
自分を表す世爻は四爻にあり、これは比較的高い場所で、五行は水で、これは水量が多いということです。
兄弟寅木が隠れている二爻の飛神を見てみると、世爻の五行と同じく水の五行です。
これは、水で木が覆われていることを表しますから、上記の卦象と一致します。
木が生じる五行は火であり、すなわち木(植物)が成長すると花となることを表します。
ですが、火の五行も木と同じく、伏神として隠れてしまっています。
そして、火の五行は世爻に剋されて消えてしまいます。
世爻は水の五行で、木を成長させるものですが、水が多すぎて木の助けになれないばかりか、火を剋して、木の開花を不可能にしていることです。
このことから、例え力を発揮したとしても、やりすぎてしまい悪い方向に向かってしまうという意味を表しています。
故に大きく過ぎる(大過)ということです。
そういった性質、意味合いから、過剰、過失、浪費、自分だけうまくいけばいい などの意味を包含しています。
また、この卦は遊魂卦(ゆうこんか)です。
卦を見ると、二爻と五爻は天人地で分けると、内卦の人の爻位、外卦の人の爻位となります。
共に陰爻で、これは家(二爻)にいる人が、道(五爻)にふらふらと遊びに出かけていくことを表します。
なので、遊魂卦は別れる、出かける、不安、さまようなどの意味があります。
まあ、基本的にはあんまり良い意味はないですが、占う内容によって変わってきますので、この卦が出てもそんなに悲観する必要はないです。
要するに、やりすぎは禁物 ということを肝に銘じ、ビジネスの世界で有名なパレートの法則(80:20の法則)を意識して行動していけば良いのです。
※五行易は月日の十二支からの影響を見て、用神が強いか弱いかで吉凶を判断しますので、下記の説明は鵜呑みにせず、参考程度に留めてください。あくまで、卦自体の象、六親、爻位の関係性から見た仮の吉凶ということです。
仕事運 ★★★★ 用神は官鬼
大過の意味とは裏腹に、仕事運は良いです。
官鬼の五行は金であり、世爻の五行は水であり、官鬼が世爻に生じられて(金生水)、良い五行の組み合わせです。
これは、仕事がスムーズに進むという暗示です。
ただし、初爻は部下の爻位であり、応爻は相手で、五行が土で相剋関係になり、目下の人との関係はうまく行きにくいので注意しましょう。
異性運
男性の場合 ★★ 用神は妻財
良くないです。
応爻は妻や彼女の意味があり、応爻に妻財があるのは悪くないのですが、世爻を剋する五行です(土剋水)。
初爻は考えの爻位であり、相手は内心不満を持っている暗示です。
また、妻財は官鬼を生じる五行ですから、他の男性に興味を持ちやすい女性なので、要注意です。
女性の場合 ★★★★ 用神は官鬼
良いです。
世爻の両隣に男性の意味の官鬼があり、両手に花状態です。
また、官鬼は世爻を生じる五行であり、相手からのアプローチがあったり、尽くしてくれるタイプでしょう。
しかし、官鬼の間に囲まれて誘惑が多く悩みやすい暗示です。
金運 ★★★ 用神は妻財
悪くないです。
男性の場合、女性運を占う場合と用神は一緒ですが、お金の場合はちょっと相剋関係の意味が変わります。
金運を占った場合、妻財が世爻を剋す五行であった場合、お金が手に入りやすいのです。
この場合は妻財の土が世爻の水を剋して、良い組み合わせです。
しかし、財源の意味がある子孫午火が、世爻に伏神として隠れてしまっていて、世爻の五行は水で、しかも十二運で見ると絶の地であり良くないです。
よって、短期的な金運では吉になりますが、長期的な金運となると凶になる暗示です。
学業運 ★★★★ 勉強、資格などの用神は父母、試験は官鬼
勉学、資格関係は良いです。
勉強を意味する父母が世爻にあり、これは勉強が着実に身についており、やる気も充分あるという暗示です。
試験運も良いです。
合格の意味のある官鬼の金が世爻を生じていて、良い五行の組み合わせです。
外出運 ★★ 用神は世爻
あまり良くないです。
この卦は遊魂卦であり、フラフラと遊びに出かける暗示ですが、目的地の意味のある応爻の五行が土で、世爻を剋す五行であり、これは不利な出来事が起きる暗示だからです。
創造力・アイデア運 ★
良くないですが、子孫が世爻に隠れて伏神となっているのは少し救いがあります。
世爻は父母であり、これは情報や知識の意味があります。
父母の十二支は亥水であり、水は火を剋して、その上絶の十二運になります。
これは、情報や知識がありすぎると、創造力を発揮しにくいことを表しています。
創造力の源である子孫午火を生かすためには、今まで溜め込んできた知識に対するこだわりを無くすことが必要です。
健康運 用神は世爻
世爻の十二支は亥水であり、これは喉の意味があります。
五爻は胸、肩の爻位で、金の五行は肺、骨の意味があります。
澤風大過の意味から、木が水に浸かっているので、冷えも表します。
これらの意味を組み合わせると、肩こり、咳、風邪などにかかりやすい暗示です。
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