増刪卜易シリーズも7回目です。
今回は結構判断が難しい卦になります。
第三十 随官入墓章
※ちなみに『随官入墓』というのは、世爻に官鬼があり墓に入る形を意味します。官鬼は災いで入墓は文字通り墓に入ることであり、古来より不吉と呼ばれています。
未月戊辰日(空亡−戌亥)に、すでに重罪の判決を受けているものの、許されて釈放されるかどうか?と占い、山風蠱が山沢損に変わる卦を得ました。
世爻を用神とします。
世爻に官鬼があり、初爻の妻財丑土が発動して入墓させ、世爻も発動して変爻が丑土で入墓します。
これは随官入墓の形であり、古法では凶になります。
が、月日が世爻を生じており強いです。
世爻を墓に入れた丑土は月の未土に冲されて月破になっています。
これは、月破は破れるという意味で、墓が破れられるということになり、拘束が解かれる、牢獄から出られるということになります。
世爻が動爻で翌年は酉年で相合して応期になり、出獄できるでしょう。
結果
翌年の辰月に罪が許され出獄できました。
この例のポイントを説明します。
世爻は月日に生じられて強いです。
その上、初爻の原神が発動して世爻を生じます。
世爻自体も発動して回頭生です。
巳・酉・丑の三合局も揃っています。
しかも、日の辰土は四爻の戌土を冲し暗動させて、これも世爻を生じます。
ということは、月・日・初爻・変爻・四爻から生じられており、普通に判断すれば世爻が太過で随官入墓で凶と判断してしまうかも知れません。
ここで注意しなければならないのは、世爻が発動してわざわざ月破に変わるということです。
動爻は時間経過を表します。
太過の場合には、月破や空亡に変われば弱くなって太過ではなくなる場合が多いのです。
そして、丑土は墓なので入獄自体を表します。
ここには書いてないですが、初爻の丑土は牢獄の意味のある六獣の勾陳があります。
墓が破られるのは、世爻が拘束を解かれる意味になり良いことになるのです。
新品価格 Amazon |
価格:10,450円 |