五行易的 ”山水蒙” の見方(64卦シリーズ-21)

前回はブログを書いていくうちに、「こりゃあ、五行易的に見ればろくな卦じゃないな・・」との思いを強くしてしまった火水未済でした・・・「でも、そういうキツイ時期があるからこそ、その後の発展があるのだな・・」としみじみと感じ入った今日この頃・・・しかし、次の卦もあんまり良くなさそうだな・・との予感がします。

 

・・・今回は、

 

 

山水蒙(さんすいもう)

 

 

です。

 

 

上半分の外卦は艮(ごん)です。

艮は山であり、止まることを意味します。

下半分の内卦は坎(かん)です。

坎には水の意味がありますが、ここでは水=知恵の意味をとります。

艮の五行は土であり、坎の水を上から剋して圧迫します。

そうすれば、知恵(水)が止まる、濁る(土)ということで、知恵が無い、知恵が濁って使えないという意味になります。

蒙(もう)には、幼い者、道理が通じない意味がありますので、山水蒙ということです。

よって、この卦は愚か、わからない、教育、曖昧模糊、愚鈍、純粋などの意味を包含しています。

 

爻位、六親によって見てみれば、子孫が世爻にあります。

子孫は利口、利発、表現(我が生じる五行、四柱推命でいう食神、傷官)の意味があります。

しかし、初爻の寅木と、六爻の寅木に剋されて、父母は知識を表しますから、天地の知識にうといことを表します。

知識がないと、この世界のことを把握できないですから、自分の認知、認識がはっきりしていないので、自他の区別がつきにくいのです。

よって、愚か、無知を意味します。

要するに、子孫は子供であり、無垢であり無知なので、ある種自由な状態を表しています。

なので、この卦は学習、仕事などを占えば、良くない卦ですが、逆に知識を忘れること(惑わされない)については有利になります。

これは体験の新鮮さを失わないことでもありますので、悟り、直感、芸術、表現活動などを占えば、良い組み合わせです。

 

まあ、「オレの好きにさせろや」ってことですね。

 

 

※五行易は月日の十二支からの影響を見て、用神が強いか弱いかで吉凶を判断しますので、下記の説明は鵜呑みにせず、参考程度に留めてください。あくまで、卦自体の象、六親、爻位の関係性から見た仮の吉凶ということです。

 

仕事運 ★ 用神は官鬼

良くないです。

仕事は官鬼を表しますから、世爻には子孫があり、官鬼を剋してしまいます。

これは、仕事の内容に対して不満を持っている、やる気がない、良くわからない状態を表しやすいです。

五爻は上司を表しますから、これも相剋関係(土剋水)で、自ら上司を嫌っている暗示です。

 

異性運

男性の場合 ★★★ 用神は妻財

そこそこ良いです。

世爻の五行は土です。

用神である妻財酉金は、世爻に伏神で隠れています。

土は酉金を生じていますので、相手のことが好きな暗示です。

これは、彼女や妻を大切にしていることも表します。

ただ、応爻に父母があり、世爻の忌神なので、相手方の両親と相性が悪くなりやすいです。

 

女性の場合 ★ 用神は官鬼

良くないです。

官鬼の五行は水であり、世爻の土と相剋関係です。

これは、相手を自分が嫌ってしまう暗示でもあります。

よって相性が悪いのです。

 

金運 ★★★ 用神は妻財

まあまあです。

世爻に妻財酉金の原神である子孫があります。

土が金を生むということで、自ら多少の努力が必要ということです。

でも、世爻に妻財が伏神で隠れているのは、良いことです。

これはお金が入ってくるような潜在能力を自分が持っているという意味になります。

なので、自らの努力次第では、金運が上昇しやすくなります。

世爻が一つだけ発動すれば、原神が自ら動くことになり、金運にとっては吉となります。

 

 

学業運 ★★ 勉強、資格などの用神は父母、試験は官鬼

蒙(もう)という字は、無知、愚かなどの意味がありますから、この卦が出たら基本的に良くない暗示です。

勉強、資格の意味のある父母が世爻を剋していますから、これも不利です。

試験運も良くないです。

官鬼の水と世爻の土は相剋関係になり、しかも合格の意味のある官鬼が他人を意味する応爻を生じてライバルが合格する暗示です。

 

 

外出運 ★★ 用神は世爻

世爻の強さ次第です。

世爻に楽しいの意味がある子孫がありますが、目的地の意味のある父母の五行が木で、世爻を剋してしまいます。

これは、出かけるには不利な運になります。

三爻のみ動爻になれば、父母寅木の剋をといて(化殺)凶の要素が弱まります。

 

 

創造力・アイデア運 ★★★★★

かなり良いです。

世爻に官鬼を剋する五行である子孫があるということは、仕事運を占った時には良くない組み合わせです。

ですが、官鬼には悩み、災いなどの意味があるので、世爻の子孫が強ければ、邪気や災いがよってこないということで安全、安心の意味になります。

例えば、占い師であるなら、用神は子孫になりますので、非常に占い師としての能力が強いことになります。

また、子孫には僧侶、医者、ヒーラー、セラピストの意味があるので、子孫が強ければこれらの職業で活動しているのであれば能力が高いです。

話が脱線してしまいましたが、子孫の十二支に戌があるということは、乾(いぬい・戌亥)ということで天の助けがあるので、直観力やアイデアは冴えわたる時期になります。

 

 

健康運 用神は世爻

世爻の強さ次第ですが、忌神が初爻(足の爻位)と六爻(手の爻位)にあり、手足の病気、怪我にかかりやすくなる暗示です。

また、木は痛いという意味がありますので、神経痛や頭痛の症状も出やすいです。

 

4件のコメント

  1. こんにちは。
    毎日、ためになる六十四卦の説明記事、ありがとうございます。
    すみません、細かいことなのですが・・・
    この記事の通し番号が22になっていますが、
    21になるかと思います。
    今ならまだ以後の記事の訂正に時間もかからないかと思いますので
    以後の記事への反映よろしくお願いします!

    1. とっとさん、こんにちは。
      管理人の大黒天です。

      ご指摘ありがとうございます。
      さっそく修整しました。

  2. こういう中途半端な書き方は非常に良くない。
    初爻、二爻、と1つ1つ書くべきです。

    1. 甲子丸さん、そのご意見は十分理解できます。

      一爻、一爻書いた方がもちろん良いとは思いますが、五行易の性質上全部書いたとしても、占う内容や状況によって変わってくるので、あまり決め打ちの説明は出来ないからです。

      例えば、一爻のみ発動した時はキッチリとした意味が書けるのですが、複数発動してしまうと、途端にその意味が変わったりします。

      その爻が回頭生なのか、回頭剋なのか、進神なのか、退神なのか、墓に入るのか、反吟なのか、伏吟なのか、どの六親に変わるか、などで吉凶がひっくり変えることが、五行易ではよくあるからです。

      なので、初心者の方にわかりやすいように、勉強のヒントになるような意味合いで、特徴的な爻位だけ書きました。

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