前回の巽為風は、読んで字のごとく『風そのもの』を表して、風は目に見えないですし、どこにも留まっていられないということで、『自分には何も得るものがない』という意味を持つ非常に辛い卦でした・・・
・・・しかし、実体がないものでも、手に入れられるものはあります。
それは、知識、情報(父母)です・・・
巽為風が出た場合はいろいろ見聞を広め、知識を蓄え、次の発展のために備えましょう・・・
・・・前置きが長くなってしまいましたが、気を取り直して次の卦に行ってみようと思います。
今回は
風天小畜(ふうてんしょうちく)
になります。
上半分の外卦は巽(そん)で、風の性質から、『入る』という意味になります。
下半分の内卦の乾(けん)は、古代中国から非常に貴重なものとして珍重されてきた『玉』すなわち宝石を表します。
意味を合わせると、玉をある場所に入れる(はめ込む)ことになります。
美しく貴重な物を留めて偏愛することができる。
しかし、美しい物は誰もが好むため、どの人間も永遠に手中に収めることはできないのです。
仮に留まるとしてもしばらくの間だけになります。
そうして小蓄(少しの間だけ留める)という名ができたのです。
次に六親や爻位の組み合わせから、この卦を見て行きましょう。
世爻は自分自身のことであり、初爻にあります。
初爻は一番最初の爻位であり、地面、道を表し、人体に当てはめれば足の意味になります。
つまり、人が歩いている状況なのです。
世爻には父母があります。
父母は建物の意味があるため、人が歩いている途中で建物に入り、一休みしている意味となります。
一休み=小畜(少し留まる)
そうすれば、停留の意味になり、そこから派生して、短い、すぐ動く、瞬間、スピードが速い、少しの蓄えがあるなどの意味を持ちます。
また、応爻は目的地であり、世爻の五行が水であり、応爻の五行が土です。
これは、土が水を剋するということで、これも目的地に長く留まれないということです。
こういう意味から、長期的な運を推測するならば、あまり良くない卦になります。
貴重なものが去っていく(自分のものに出来ない)ということで、長く留まれない、長続きしないなどの意味合いが強くなるからです。
なので、この卦が出た場合は、モノや人の執着するのはやめましょう。
執着すればするほど、運気は悪くなります。
でも、お金の場合は別です(汗)
その理由は金運のところで説明します。
※五行易は月日の十二支からの影響を見て、用神が強いか弱いかで吉凶を判断しますので、下記の説明は鵜呑みにせず、参考程度に留めてください。あくまで、卦自体の象、六親、爻位の関係性から見た仮の吉凶ということです。
仕事運 ★★ 用神は官鬼
イマイチです。
官鬼の五行は金であり、世爻は水で良い組み合わせですが、伏神で隠れて本卦に出ていなくて、すぐには世爻を生じることができません。
世爻が初爻にあり、一番下の爻位で、下っ端の意味になります。
これは、あまり重要な仕事は任されないということで、六親は父母が臨んでいます。
父母は苦労という意味があり、この組み合わせからも仕事運はあまり良くありません。
また、小畜という意味から、長く留まれないということで、その仕事を辞めてしまう可能性があります。
異性運
男性の場合 ★ 用神は妻財
良くないです。
妻財が三爻にあり三爻はベッド、寝室の意味があり、一緒に住むという可能性が出てくるのですが、応爻にはもう一つの妻財があるので別の女性が現れやすいです。
また、二爻は家を意味して妻財の忌神である兄弟があり、これは女性が自分の家に入りにくいことを意味します。
基本的に男女関係では風天小蓄は良くない意味になります。
つまり、二人が長く一緒にいることができないことになるのです。
女性の場合 ★ 用神は官鬼
良くないです。
男性を表す官鬼(用神)が伏神で隠れています。
そして、二爻は家であり十二支は寅木で、これは十二運から見れば金の絶の地です。
これは、絶えるという意味で、家に寄り付かなくなる暗示です。
また、官鬼は妻財のところに隠れています。
妻財辰土と官鬼酉金は相合関係になり、三爻はベッド、寝室の爻位です。
土の沐浴の地は酉になり、男女が裸でベッドを共にするという意味になり、夫や彼氏に他の女性が現れやすい暗示になります。
基本的に男女関係では風天小蓄は良くない意味になります。
つまり、二人が長く一緒にいることができないことになるのです。
金運 ★★★★ 用神は妻財
短期的な金運は良いです。
恋愛、結婚運とは違い、金運の場合は妻財に剋されれば、ドカンとお金が入ってくる意味になります。
特に四爻(応爻)のみ動爻(独発)すれば、ひょっとすると大金が入るかも・・
しかし、世爻が弱すぎれば、お金のことで災いが起きやすくなります。
学業運 ★★ 勉強、資格などの用神は父母、試験は官鬼
世爻に勉強の意味のある父母があり、悪くないです。
初爻は始まり、基本の爻位ですから、基礎的なことを勉強したり、新しいジャンルを勉強し始めたりするのは良いでしょう。
ただ、原神である官鬼酉金が伏神で隠れて、小蓄の意味で、勉強があまり続けられない暗示です。
なので短期で集中して行ってこそ吉になります。
試験運は良くないです。
合格を意味する官鬼が伏神で隠れてしまっているからです。
また、飛神の妻財辰土は官鬼酉金と相合する地支であり、相合は覆う、被せるの意味があり、隠れた官鬼を外に出しにくい暗示になります。
ですが、飛神の妻財辰土が空亡であったり、六爻の兄弟が独発すれば、一転合格の可能性が高まります。
外出運 ★ 用神は世爻
あまり良くありません。
目的地の応爻に土の五行が臨み、土剋水で世爻を剋してしまいます。
剋されるのは、基本的には水を弱くして不利になります。
外卦は外を表し、四爻から六爻まですべて世爻の水にとって良くない地支になります。
これも、外出運が良くない要素になります。
創造力・アイデア運 ★ 用神は子孫
悪いです。
子孫は巳火であり、世爻は水であり、十二運で言えば絶であり、これは絶える、無くなるなどの意味になります。
どちらかと言うと、自分で何かを生み出す時期というより、学ぶべき時なのです。
これは、世爻の父母が勉強、知識の意味があるからです。
健康運 用神は世爻
世爻は初爻にあり、本来であれば足を意味しますが、水の五行があり、水は知性を意味します。
また、初爻は考え、思考の意味もあり、内卦が乾であり、頭の意味を持ちます。
よって、頭や足の病気、怪我に注意です。
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