五行易的 ”山風蠱” の見方(64卦シリーズ-40)

前回は、スズメの子供が巣の中で、エサをほしがって口を開けているような形の山雷頤でした。

自分を養うためには、まわりに頼んだり、援助してもらうのも必要ですね・・・

・・ん?成長したあとはどうする?

 

今回は巽宮グループ最後の卦である

 

 

山風蠱(さんぷうこ)

 

 

です。

上半分の外卦は艮(ごん)です。

艮は山を表し、止まることです。

また、巣の意味もあります。

下半分の内卦は巽(そん)です。

巽は風の意味もありますが、この場合は虫の意味もあります。

大きな山(障害物)で風が止まり、動けない状態です。

これは、虫は風が無い場所を選び、寄ってたかって巣を作っているさまを表し、故に『蠱』です。

『蠱』は蠱惑の意味とも繋がり、あやしい魅力で人心を惑わす意味もあります。

また、風が通らない、すなわち通気性、見通しが無いということで、腐敗を表します。

 

六親や爻位の象から見れば、六爻は風の意味のある兄弟寅木があります。

六爻は終わりの爻位です。

外卦は艮で、止まることで、風が止まるという意味です。

また、自分を表す世爻に官鬼があります。

官鬼は病気の意味があり、腐敗の意味と合わせれば、微生物、細菌になります。

官鬼は三爻にあり、内卦は巽です。

巽は陰の木で小さいことで、虫の意味です。

また、官鬼の五行は金です。

金は虫の意味があり、初爻の丑土は十二運で見れば金の墓です。

虫(金)が丑土に入るということで、虫の巣という意味になります。

 

そういうことで、蠱惑、誘惑、散財、留まる、迷惑、利用、腐敗、嘘、ゴミなどの意味を含んでいます。

また、この卦は帰魂卦(きこんか)です。

内卦の天(三爻、陰爻)、地(初爻、陽爻)、外卦の天(六爻、陰爻)、地(四爻、陽爻)が同じ陰陽の組み合わせになり、帰魂卦になります。

帰という漢字がありますから、遊魂卦(ゆうこんか)と意味が逆になり、帰る、安定、保守、家に居るなどの意味になります。

 

 

※五行易は月日の十二支からの影響を見て、用神が強いか弱いかで吉凶を判断しますので、下記の説明は鵜呑みにせず、参考程度に留めてください。あくまで、卦自体の象、六親、爻位の関係性から見た仮の吉凶ということです。

 

仕事運 ★★★★ 用神は官鬼

まあまあです。

世爻に官鬼があり、これは自分と仕事がマッチしている証であり、良いことです。

が、山風蠱は腐敗や見通しが悪いことを意味して、仕事の悩みを抱えやすくなります。

仕事自体は悪くは無いけれど、何か得体の知れない不安感や焦燥感に襲われるのです。

何故かといえば、目標、目的地の意味のある応爻が寅木になり、十二運で言えば官鬼酉金の絶になります。

そして、六爻は終わりの爻位なので、自分が目指す目的地(目標)に行けない=モチベーションを失うという意味になるからです。

焦って自ら動けば、自滅しやすいので、守りの姿勢が重要です。

 

異性運

男性の場合 ★★★ 用神は妻財

まあまあです。

妻財は初爻と四爻に現れて、五行は土で世爻は金で相生関係になり、共に世爻を生じています。

これは良い組み合わせですが、一つ注意点があります。

初爻の妻財丑土は、十二運でいえば金の墓になります。

墓の意味は、収蔵、収める、コントロールなどの意味があります。

初爻、思い、考えの爻位であり、妻財は女性です。

これらの意味を合わせれば、女性にコントロールされるということになり、山風蠱は蠱惑という意味がありますから、自分が相手の魅力に夢中になってしまうという暗示です。

また、応爻は他人の意味があり、妻財を剋する五行の兄弟寅木があるので、ライバルが出現しやすいです。

原神の子孫巳火は伏神で隠れて、飛神の水に剋されていますので、長期的な付き合いはあまり期待できません。

 

女性の場合 ★★★ 用神は官鬼

まあまあです。

官鬼が世爻にあり、これはすでに彼氏や夫がいる意味になり、いなければ近いうちに男性に出会う暗示です。

三爻はベッド、寝室、下半身の意味がありますから、男性と親密な関係になりやすい意味も持ちます。

世爻の原神は妻財丑土で初爻にあります。

初爻は考えや心の爻位であり、丑土は官鬼酉金の墓です。

これは、内心男性を留めておきたい気持ちが強いことを表します。

しかし、思いが強すぎて束縛してしまえば、官鬼のすぐ上に女性の意味のある妻財戌土がありますから、他の女性になびいてしまう可能性があります。

また、相手の意味のある応爻と世爻は相剋関係(金剋木)になりますから、実は相性が悪い可能性があります。

 

 

金運 ★★★★ 用神は妻財

まあまあ良いです。

妻財の五行は土で、世爻は金で相生関係になり、これはお金との縁があることを示します。

そして、初爻と四爻に妻財が両現(再現)するのも、良い組み合わせです。

しかし、初爻の妻財丑土に世爻が入墓しています。

上記の異性運のところでも書きましたが、これはお金にコントロール(振り回される)という暗示です。

初爻や六爻が動爻になれば、お金の悩みが出やすいことになります。

また、原神の子孫が隠れているため、短期的な金運には良いですが、長期的な金運には良くないです。

 

学業運 ★★★★ 勉強、資格などの用神は父母、試験は官鬼

勉強、資格運は悪くないです。

父母が水で、卦中に両現(再現)し、世爻は金で相生関係(金生水)になるからです。

これは複数の資格、勉強をやろうと思っているか、すでにやっている暗示です。

官鬼が強ければ良いですが、もし弱ければやる気を失い、途中で自ら諦める暗示になります。

 

試験運は良いです。

合格、功名の意味のある官鬼が世爻にあるのは、合格が手元に来ることであり吉の組み合わせになります。

また、応爻は相手、兄弟はライバルを表して、世爻が金で剋するのは、相手を追い落とすという意味になり、これも良いです。

しかし、初爻や応爻が発動したりすれば、難しい状況になりやすいので、注意が必要です。

 

外出運 ★★★ 用神は世爻

悪くないです。

もちろん世爻が強ければの話ですが。

応爻は目的地になるので、世爻の金が木を剋するというのは良いことです。

なぜなら、自分がコントロール出来る(思い通りになる)という意味になるからです。

ただし、彼氏、彼女などの外出は良い卦ですが、友人との外出はあまり良くありません。

世爻の金は、応爻の兄弟(友人、同僚)を剋して、弱めてしまうからです。

 

創造力・アイデア運 ★ 用神は子孫

悪いです。

子孫の五行は火で、五爻に伏神として隠れています。

飛神は父母で水になり、剋されて火は弱くなります。

また、外卦が艮で山の意味で、火は明るさであり、これは太陽が山に隠れて暗い様子なのです。

雑念の意味のある官鬼が世爻にあり、上記の意味と合わせれば、いいアイデアが浮かばない、創造力が発揮できないことを暗示します。

 

健康運 用神は世爻

世爻に病気の意味のある官鬼があり、病気にかかりやすい暗示です。

山風蠱にはウイルス、細菌の意味がありますから、各種感染症などに注意です。

精神的に悩みや不安を抱えやすく、何かに依存してしまいやすいので、お酒やギャンブル関係は控えたほうが無難です。

 

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