前回は『噛み砕く』という意味のある火雷噬嗑でした。
五行易を人に噛み砕いて説明するというのは、なかなか難しいものです・・
今回は
山雷頤(さんらいい)
です。
山雷頤の頤は、アゴ、口、歯を意味します。
初爻は陽です。
これは、下唇を表します。
六爻は陽です。
これは、上唇を表します。
二爻から五爻まで陰で、陰は空間を表します。
そうすれば、卦の形自体が口を大きく開けているようであり、故に頤なのです。
また、上半分の外卦は艮(ごん)です。
艮は止ることを表します。
下半分の内卦は震(しん)です。
震は動くことを表します。
これは、動いて止まることの繰り返しであり、上記の意味と合わせれば、口を開けて物を食べている象なのです。
そこから、自らの体を『養う』という意味につながります。
六親や爻位から見てみると、自分を表す世爻に妻財戌土があります。
妻財は飲食の意味で、生命を養うことの源です。
世爻が四爻にあり、食道の意味を持ちます。
食べた物を飲み込んで、食道に行くことを表しています。
すぐ下の三爻に同じく妻財があり、十二支は辰土です。
辰土は十二運で言えば、水・土の墓であり、四爻の妻財戌土を墓に入れます。
墓の意味は収蔵、蓄えなどの意味がありますから、これは食べた物が胃の中に入り、蓄えられることです。
そして、胃から栄養を吸収し、結果的に自らの体を養うことを表します。
故にこの卦には、食養、修養、自ら身を立てる、自我の成長、ボランティア、依頼、質問、ゼロからの成り上がりなどの意味を包含しています。
また、この卦は遊魂卦(ゆうこんか)です。
卦を見ると、二爻と五爻は天人地で分けると、内卦の人の爻位、外卦の人の爻位となります。
共に陰爻で、これは家(二爻)にいる人が、道(五爻)にふらふらと遊びに出かけていくことを表します。
なので、遊魂卦は別れる、出かける、不安、さまようなどの意味があります。
※五行易は月日の十二支からの影響を見て、用神が強いか弱いかで吉凶を判断しますので、下記の説明は鵜呑みにせず、参考程度に留めてください。あくまで、卦自体の象、六親、爻位の関係性から見た仮の吉凶ということです。
仕事運 ★★★ 用神は官鬼
そこそこです。
官鬼は伏神で隠れて少し不利な組み合わせになります。
世爻が土で生じていますので、自分のやりようによっては良くなる可能性があります。
が、伏神の場合は、例え隠れているところから出てきたとしても、一時的に良くなるだけになりやすいです。
異性運
男性の場合 ★★ 用神は妻財
あまり良くないです。
世爻に妻財があり、三爻にもあって良いですが、三爻の妻財辰土に官鬼酉金が隠れています。
三爻は寝室、ベッドの爻位で、酉金は土の五行の沐浴です。
沐浴には裸の意味がありますから、女性側が他に親密な男性を作りやすいという意味になります。
女性の場合 ★★ 用神は官鬼
あまり良くないです。
官鬼酉金は三爻に隠れています。
飛神に妻財辰土があり、官鬼酉金と相合関係です。
これは、男性が女性に隠れている象です。
また、世爻の戌土と三爻の辰土は、同じ五行であり、相冲関係です。
相冲は仲が悪い、衝突などを意味しますから、恋敵が出やすい暗示になります。
金運 ★★★ 用神は妻財
そこそこです。
世爻に妻財があるのは良い組み合わせです。
ですが、原神である子孫巳火が五爻に隠れて伏神になります。
飛神の父母が水の五行であり、子孫の火を剋して弱くしています。
原神は源の意味がありますから、ここが弱いと長期的金運は良くありません。
学業運 ★★ 勉強、資格などの用神は父母、試験は官鬼
勉強や資格の運は基本的に良くないです。
父母の五行が水であり、世爻の妻財が土になり、相剋関係になります。
自分から勉強や資格を放棄しやすい暗示になります。
試験運もあまり良くないです。
用神は官鬼ですが、伏神で隠れてしまっています。
官鬼の五行が金で、飛神が土で、これは土に埋もれている状態を示しており、金を掘り出すには骨が折れるさまを表してします。
外出運 ★★★ 用神は世爻
まあまあです。
世爻が応爻を剋する関係で、不順や災いが起きにくい組み合わせです。
特に山雷頤は、飲食関係の意味が強まります。
遊魂卦は出かけることで、食事関係の外出に良い卦です。
創造力・アイデア運 ★★ 用神は子孫
あまり良くないです。
世爻が戌土で、子孫は火で、『墓に入れる→手に入れたい』 という意味になります。
しかし、飛神の父母(知識)が邪魔をして、見えないところ(無意識=伏神)から出にくい暗示です。
健康運 用神は世爻
頤は、アゴ、口、養生の意味があり、これは食事関係の不調、病気を表しやすいです。
また、世爻に土の五行があり消化器の意味があり、四爻は胃の爻位です。
ですから、口、食道、胃の病気に注意です。
現在、消化器関係で病気や不調を抱えているならば、飲食を見直したほうが良いかも知れません。