五行易的 ”天澤履” の見方(64卦シリーズ-54)

前回は視覚によって喜びと怒りがもたらされる意味のある火沢睽でしたね。

最近の研究では、数あるSNSの中でインスタグラムが、若者にとって一番ネガティブな影響があるという結果が・・

また、SNSはたばこやアルコールよりも依存度が高い可能性があると指摘されていましたね・・

 

・・今回は

 

 

天澤履(てんたくり)

 

 

 

です。

 

 

 

 

上半分の外卦は乾(けん)です。

乾は頭・王という意味があります。

そしてこの場合は何を表すかというと『虎』になります。

下半分の兌は少女・か弱き者の意味があります。

先天八卦の順番では乾が一番目、兌は二番目です。

外卦が先・上、内卦が後・下を表し、強い虎である乾のあとを、少女である兌が恐る恐るすぐ後ろについて行くさまです(多少強引な解釈ですが・・)

もちろん虎の方が強いですから、虎の尾を踏まないように行動することが大切です。

故に履は『礼』の意味があります。

 

爻位や六親の組み合わせを見ると、自分を意味する世爻は五爻にあります。

五爻は道の爻位で、子孫は喜び・快楽の意味があります。

そうすれば、人が喜びながら道を歩いているさまです。

初爻に父母巳火があります。

父母は『自分を守るもの』という概念であり、この場合は衣類を表します。

初爻は足の爻位ですから、意味を合わせると靴です。

すなわち、天澤履の『履』で、靴を履くことです。

世爻の十二支は申金であり、巳火と相合します。

相合は接着・結合の意味がありますから、人が靴を履いて道を歩いていることを表しています。

故に、天澤履は歩く・行動・活動・旅行・赴任・発展などの意味があるのです。

 

この卦が出た場合は、占う内容によりますが、そんなに悪い卦ではありません。

なぜなら、世爻に楽しい、娯楽の意味にある子孫があり、強い爻位である五爻にあるからです。

しかも、応爻が他人の意味で世爻が応爻を剋して、他人より有利な位置に立てたり、コントロール出来ることになります。

ただし、世爻が空亡・月破で弱くなれば、逆に気分が悪い・悩みなどの暗示になります。

 

 

※五行易は月日の十二支からの影響を見て、用神が強いか弱いかで吉凶を判断しますので、下記の説明は鵜呑みにせず、参考程度に留めてください。あくまで、卦自体の象、六親、爻位の関係性から見た仮の吉凶ということです。

 

仕事運 ★★★ 用神は官鬼

まあまあです。

普通は世爻に官鬼を剋する五行、すなわち子孫があれば良くない組み合わせです。

この場合は世爻の金が官鬼の木を剋して弱めてしまい、仕事がうまくいかなくなったり、イヤになったり、辞めたくなったりすることになります。

しかし、天澤履は特殊な組み合わせであり、世爻、応爻ともに傷がない状態(月破、空亡、墓、日辰、動爻からの相合がない)である場合は吉に転じます。

何故かといえば、世爻が子孫で喜びであり、偉い爻位である五爻で、二爻は自分より下であり、応爻は相手で、世爻の金が官鬼を剋するということで、誰かの官職を奪って出世して嬉しい気持ちになるという暗示を含んでいるからです。

また、子孫は官鬼を剋することから、休暇・休み・辞めるの意味にもなり、「休みが取れるか?」「辞められるか?」などの占いであれば、基本的には吉になります。

 

異性運

男性の場合 ★★★ 用神は妻財

まあまあです。

用神である妻財子水が伏神で隠れているのは、あまり良くないですが、この卦は世爻に隠れています。

伏神で隠れているということは、この卦の中に一つしかありません。

その上、水の長生は申であり、世爻が自分の意味です。

長生は源・育む・与えるの意味があり、これは一人の女性を自分が熱烈に愛しているということです。

ただし、この卦には陰爻が一つしかなく、他はすべて陽爻です。

陽爻は男性の意味で、これはライバルが多い暗示になります。

 

女性の場合 ★★ 用神は官鬼

あまり良くありません。

上記の仕事運の場合は、競争・出世などの意味を含んでいるため、世爻が応爻を剋するのは悪くないですが、異性運は競争ではなく、相性に重きを置くため、良くない組み合わせです。

世爻は金で五爻で、応爻の官鬼を剋するということで、自分の気が強くなり、相手を責めてしまったり、イヤになったり、別れてしまいやすく、相手がいない場合はなかなか縁がなく、婚期も遅くなってしまう暗示です。

しかし、この卦は陰爻が一つで、陽爻が五つです。

これは、たくさんの男性が周りにいる暗示であり、誘惑が多い環境にいることを表します。

 

金運 ★★★★ 用神は妻財

良いです。

用神である妻財が、世爻に隠れて伏神であり、これは自分の懐にお金がある暗示です。

世爻が妻財を生じるもので原神であり、これも良い組み合わせです。

五爻+妻財で、大金の意味であり、自分が努力すればするほど、妻財が強くなることで、金運が上がる可能性があります。

 

学業運 ★★★ 勉強、資格などの用神は父母、試験は官鬼

勉強・資格運はあまり、良い組み合わせとはいえません。

用神である父母巳火が世爻の金を剋してしまい、あまり勉強に熱が入らない暗示です。

が、巳火は世爻の申金と相合して、金の長生であり、一種の矛盾状態を表し、好きなジャンル、資格なのだけれども、勉強の内容が難しくて熱が入らないのです。

 

試験運は、仕事運の説明と同じで、官鬼と世爻に傷がないことが鍵になります。

そうすれば、用神である官鬼をちゃんと世爻が剋することが出来て、ライバルを蹴落として、自分が合格することが出来ます。

官鬼が弱かったら、自分が剋してしまえば、合格自体が消えてしまいますし、子孫が弱ければ、官鬼を剋する力が弱くなり、相手を蹴落とすことが出来なくなります。

 

外出運 ★★★★★ 用神は世爻

かなり良いです。

天澤履自体が、靴を履いて外に出かける意味で、世爻に喜びの意味のある子孫があり、この組み合わせは最強です。

特に、娯楽・遊び関係の外出なら、順調で楽しい外出になります。

しかし、女性の場合は注意したほうが良いです。

彼氏、夫と出かければ、世爻の金が応爻の木を剋して、不和が出やすくなります。

 

創造力・アイデア運 ★★★★★ 用神は子孫

かなり良いです。

用神の子孫は五爻にあります。

五爻は尊敬される爻位(人の上に立つ人を表す)です。

そうすれば、あなたの創造性は周りの役に立つということであり、故に貴重なものになります。

もちろん、五行易ですから、子孫の金が強いことが条件ですが。

 

健康運 用神は世爻

これまで繰り返し述べましたが、世爻に子孫+五爻の組み合わせは、非常に強いです。

子孫には健康・安寧の意味がありますから、健康に問題の出にくい組み合わせになります。

しかし、世爻が弱く、初爻の父母巳火が動爻になれば、世爻の申金と相合して、病気があることです。

五爻は首の意味で、世爻は金で骨です。

そうすれば、首の異常や、肩こり、歯痛などの不調が出やすくなります。

また、巳は火の五行なので、炎症や発熱が出やすくなる可能性もあります。

 

 

爻位(こうい)の意味

 

 

 

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