前回は、表面は謙虚だが内面に激しい野心を抱いている地山謙でした。
今回は、
雷山小過(らいざんしょうか)
になります。
小過なので、少し過ぎる(少しやりすぎる)の意味があります。
上半分の外卦は震(しん)です。
震は動であり、怒りの意味を持ちます。
下半分の内卦は艮(ごん)で、これは止まるという意味です。
ということは、怒ったとしても、ほどほどで止められるということです。
何事かを成す為には、時には怒ることも必要です。
行動は感情から発生するので、怒り→行動力を生み出します。
それが推進力を生み目的に向けてのエネルギーを出すのです。
ただ、怒りっぱなしでは周りから嫌われますし、自分も壊してしまいます。
なので、少し怒って行動する(小過)ぐらいがちょうどいいということになります。
とはいっても、怒りのエネルギーを使い行動するわけですから、前のめりになり最初は小さいミスはあるでしょう。
が、長期的な視点で見てみれば、最終的にはより大きなものを得ることが出来るのです。
六親や爻位の象から見ていきます。
世爻(自分)に官鬼があります。
官鬼は官職、仕事の意味がありますから、これは自ら仕事を掌握していることです。
五爻は偉い爻位であり、官鬼を仕事ととれば上司のことになります。
二爻の火が五爻の金を剋して、下が上に逆らう意味に取れます。
これだけでは良くないですが、世爻が相手を表す応爻を生じて、目下の人には愛情深く接することが出来ます。
五爻を剋して、機先を制して戸惑わせ、後でしっかりとした挨拶することを表します(ちょっと、ツンデレっぽいですが)。
なので、仕事運を判断すれば、上司に不満な気持ちを抱き、部下に対しては寛容で慕われる一面があります。
が、世爻が兄弟申金に挟まれて、兄弟は争い、ライバル、同僚の意味がありますから、他人に嫌がらせをされやすく、孤立するときが多くなります。
それらの意味から、この卦は勘違い、前のめり、ミス、不足、不完全などの意味もあります。
また、この卦は遊魂卦(ゆうこんか)です。
卦を見ると、二爻と五爻は天人地で分けると、内卦の人の爻位、外卦の人の爻位となります。
共に陰爻で、これは家(二爻)にいる人が、道(五爻)にふらふらと遊びに出かけていくことを表します。
なので、遊魂卦は別れる、出かける、不安、さまようなどの意味があります。
※五行易は月日の十二支からの影響を見て、用神が強いか弱いかで吉凶を判断しますので、下記の説明は鵜呑みにせず、参考程度に留めてください。あくまで、卦自体の象、六親、爻位の関係性から見た仮の吉凶ということです。
仕事運 ★★★ 用神は官鬼
そこそこです。
上記でも説明しましたが、世爻が五爻を剋して、上司や目上の人に不満を持ちやすいときです。
でも官鬼が世爻に来て、自分の仕事は掌握している形になりますので、自分の持ち場を守れば大丈夫です。
ですが、二爻にも官鬼があり、これが一つだけ発動すれば(独発)自分のミスから自滅します。
異性運
男性の場合 ★ 用神は妻財
良くないです。
妻財卯木が伏神で隠れています。
隠れているところが問題で、自分と同じ六親の官鬼が来ています。
これは男性を表し、他の男性に隠れて付き合っているという暗示です。
つまり、女性に浮気心が出やすいのです。
女性の場合 ★★ 用神は官鬼
世爻に官鬼があり、彼氏、夫が自分のところに居るという意味になりますが、二爻に別の官鬼があり、他の男性に興味が移ってしまう暗示です。
また、二爻の官鬼を彼氏、夫に見立てれば、女性の意味のある妻財が隠れていますから、彼女持ちか妻帯者の暗示です。
金運 ★★ 用神は妻財
あまり良くないです。
妻財卯木と世爻の午火が相生関係になりますが、肝心の妻財が伏神で隠れて、お金が手に入りにくいです。
また、妻財の五行が木で、飛神である官鬼の火を生じて、木の力が漏らされて弱くなり、実体化しにくい組み合わせになります。
しかも、妻財卯木の原神である子孫亥水が伏神で隠れて、長期的な金運を見る場合も不利になります。
学業運 ★★★ 勉強、資格などの用神は父母、試験は官鬼
世爻に父母の原神である官鬼があり、努力が必要な時です。
特に世爻のみ発動(動爻)すれば、吉になります。
試験の場合は、そんなに悪くありません。
世爻に合格の意味のある官鬼があり、合格が手元に来る暗示です。
しかし、二爻が単独で発動してしまうと、一転凶になります。
外出運 ★★★ 用神は世爻
世爻の強さ次第ですが、まあまあな感じです。
応爻が目的地の意味になり、世爻が火で応爻が土で、これは目的地が世爻の五行の力を漏らす(火→土)ということで、消耗して疲れる外出になる暗示です。
創造力・アイデア運 ★ 用神は子孫
ダメです。
今のあなたは雑念が多すぎます。
用神である子孫は世爻に隠れて、子孫が水で、世爻の火を剋して、無意識は必死にシグナルを送っていますが、相剋関係であなたが無視しています。
世爻の原神は妻財卯木であり、原神自体は精神や考え方を表します。
内卦が艮であり、これは山の意味です。
妻財は木であり、これは植物であり木々です。
山に生えている木の枝や葉っぱをを持ち歩けば、心が落ち着いてそのシグナルにも気づけるようになるでしょう。
健康運 用神は世爻
世爻が弱ければ、五行が火なので、心臓、血流関係、熱病関係の病気にかかりやすくなります。
また、官鬼は悩みであり、雷山小過には怒りを抑えるという意味もありますから、肝臓系やストレス性の疾患にも注意です。