前回は、「自我というもの」を「私そのもの」だと勘違いし、その主張を押し通した結果、他人との争いが誘発される天水訟でした。
今回は離(宮)ファミリー最後の卦である
天火同人(てんかどうじん)
です。
上半分の外卦は乾(けん)です。
これは陽の八卦であり、天の意味です。
下半分の内卦は離(り)です。
これは陰の八卦で、火であり、この場合は太陽の意味になりますので、陽の性質をはらんでいます。
これは、共に上昇するという意味になります。
この二つの八卦が組み合わされば、天には太陽がある象になります。
そして、その太陽はあまねく地上を照らし、人々に様々な恵みをもたらします。
天が無ければ太陽は輝ける場所がないし、太陽がなければ天を認識することはできません。
天と太陽は一体であり、どちらも離れられなく、また人類も天と太陽が無ければ存在できないのです。
天と太陽から生み出された、すなわち人類の親という意味になるのです。
故に、人類は天を慕い、太陽を敬うのです。
六親と爻位の関係から見れば、自分を表す世爻の五行は水で、相手を表す応爻は土になります。
これは本来相剋関係(土剋水)ですが、三爻の世爻から、六爻の応爻まで陽爻が続きます。
天への階段を一歩一歩進んでいくようであり、応爻は目的地であり、他人の意味があります。
自分が志を持ち、その目標に向かう過程で志を同じくする人と次々に出会っていくのです。
なので、この卦は同志、親近、合作、仲良しなどの意味を内包しています。
また、この卦は帰魂卦(きこんか)です。
内卦の天(三爻、陰爻)、地(初爻、陽爻)、外卦の天(六爻、陰爻)、地(四爻、陽爻)が同じ陰陽の組み合わせになり、帰魂卦になります。
帰という漢字がありますから、遊魂卦(ゆうこんか)と意味が逆になり、帰る、安定、保守、家に居るなどの意味になります。
※五行易は月日の十二支からの影響を見て、用神が強いか弱いかで吉凶を判断しますので、下記の説明は鵜呑みにせず、参考程度に留めてください。あくまで、卦自体の象、六親、爻位の関係性から見た仮の吉凶ということです。
仕事運 ★★★★ 用神は官鬼
良いです。
官鬼は世爻にあり、帰魂卦であり、これは安定、安心の意味がありますし、これは自分の仕事をうまくコントロール出来ていることの証です。
また、官鬼の原神である妻財が、社長、上司の意味のある五爻にあり、上の引き立てもあり良い仕事運でしょう。
その上、五爻のみ動爻になれば、妻財がさらに強くなり、世爻の官鬼を生じて、強くなり吉になります。
異性運
男性の場合 ★★★★ 用神は妻財
良いです。
用神である妻財は世爻と相生関係(金生水)であるからです。
また、この卦は帰魂卦で、安定、家庭的の意味があって、妻財も卦に一つしかなくて吉です。
女性の場合 ★★★★ 用神は官鬼
良いです。
世爻に官鬼もあるということは、気に入っている意中の男性がいるということです。
また、卦に官鬼と妻財が一つしかなく、他の女性が現れる心配も少ないです。
金運 ★★★★★ 用神は妻財
良いです。
なぜかといえば、用神である妻財申金が五爻にあり、世爻(水)の長生だからです。
長生は水の五行を強くする十二運であり、その上相生関係(金生水)です。
これは安定してお金が入ってくるということになり、吉です。
学業運 ★★★ 勉強、資格などの用神は父母、試験は官鬼
勉強資格にはちょっと不利になります。
世爻に水の五行があり、父母の木を生じています。
これは自分自信のモチベーションを保つ努力が必要ということです。
もしも、世爻が弱かったりすると、途中で勉強を諦めてしまいます。
ですが、三爻は門の爻位で、父母は初爻にあり、これは入門という意味で、新しく学び始めるには良い暗示になります。
試験運は悪くないです。
世爻に官鬼があり、これは自分に合格が手に入る意味になりやすいです。
外出運 ★★ 用神は世爻
あんまり良くないです。
世爻が三爻にあり、これは門の爻位で自分が出かけたい暗示になります。
が、目的地の応爻の五行が土で、世爻の水を剋して不順なことが起こりやすくなります。
五爻が単独で動爻になれば、一転良くなります。
創造力・アイデア運 ★
悪いです。
世爻に官鬼があり、官鬼は雑念、悩みであり、あなたの思考が邪魔をして、無意識の発現に気づけません。
しかし、子孫戌土は天の意味があり、六爻も天の爻位で、宗教的なものに縁があります。
神社、仏閣に行ったり、瞑想、座禅などを行えば、天啓を得ることが出来るかもしれません。
健康運 用神は世爻
世爻が弱ければ、腰痛、腎臓系、五爻が弱ければ、肩、首、肺などの病気にかかりやすくなります。
世爻がある三爻は腰の部位の爻位であり、五行が水だからです。
五爻は胸や首の爻位で、五行が金だからです。
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