今敏監督の命式を読む

前回の庵野監督の命式に続いて、今回はもう亡くなってしまった今敏(こん・さとし)監督の命式を読みたいと思います。

 

まあ、四柱推命はいろんな流派がありますし、三柱で判断するのは邪道という見方があると思いますが、意外と当たっていることが多いし、皆さんの勉強にも役に立つと思うので、これからシリーズ化していきたいと思います。

 

私の四柱推命の話をしますと、影響を受けているのは主に小山内式四柱推命(行運、性格など)と盲師派(社会的に追い求めるもの、財運など)などで他にも色々ありますが、まあ要するに自己流です。水と油の考え方かもしれませんが、別にそれでいいのです。矛盾したことを矛盾したままで読み解いていくということです。だってもともと占いなんて出自自体が怪しいものだし、どれが正しいとか正しくないかとかどうでもいいんです。結果的に人の役に立てばいいんです。

 

では、今敏監督の命式を読み解いていきたいと思います。

1963年10月12日生まれ

日干支は戊子で、水の五行が最も多くて日干は弱めです。戊は陽の土なので容易には崩れないですが、これでは財の水が多すぎて普通は財多身弱になり、古典的な見方だと良くない命式になります。小山内式で見れば、他に日干の助けになる五行がなく、二つの陽の財の隣接で消耗しやすい状態になり、過酷なアニメの現場に居続けることになったのでしょう。

作風としては基本的には暗く現実と夢や妄想との境目がなくなるなどのテーマがありますから、これは水は夜、良く見えないと言う意味になりますので、これも水の五行の影響でしょう。しかし、日干の戊と年干の癸が干合して、丁火の意味に変わります(実際に五行が変わるのではなく、あくまで象意的に変わる)。

癸の下にある年支の卯木も陰であり、女性を描くのが上手く、日干と干合すれば自分がほしいものを表します。文化(アニメ)の中で、暗い過酷な環境の中(水)で生き抜く女性(戊+癸=丁)というテーマを追求したのかも知れません。

注目してほしいのは、月支である戌です。戌は年支の卯木と合しており、戌の蔵干に辛が入っていて、これは食神になります。食傷は表現で、戌は火の墓であり、文化の要素もあります。先程説明した癸卯とも合していますので、女性をアニメで表現することが中心になります。戌と卯の合は自分流のやり方を追求すると言う意味もあります。

周りを見ると水と木に囲まれています。戌は燥の土で強い水と木に囲まれて崩されます。ポツンとある異質な干支が制御されると、その面でコントロール出来る、手に入れると言うことで社会的発展が期待できます。ということは、財や官殺が食傷を制御するということで、表現者としては一流ということです。また、異質な干支が周りから制御されるということは、一生涯追い求めるものと言うことも出来ます。辛は鉱石も表し、本人は鉱石が好きだと何かのインタビューで答えていたのが印象的でした。

2010年(庚寅)の46歳に若くて亡くなりましたが、これは監督としての全盛期とかぶっています。制御されるのは月支の戌で周りに助けがないですから、戌を強める干支が大運に巡ってきた時に有利になります。31歳から戊午で燥いた土と火で戌を強くして代表作である千年女優東京ゴッドファーザーズを生み出しました。41歳から丁巳運はダブルの火でこれも戌を強めるので有利ですが、弱い日干を強い印が強めすぎるのは良くないです。31歳から弱い日干を生じて強め続けていた為に、体調に悪影響が出やすくなります。

 

 

 

コメントを残す