こないだネットフリックスの『Formula 1: 栄光のグランプリ』のシーズン3を見ていて、ここまで勝利に情熱を燃やすルイス・ハミルトンの命式ってどんなのだろう?と興味が湧いて、命式を出してみました。
1985年1月7日3時30分生まれ
日干は丙、日支は午で、年干は甲で、月干は丁で、時支は寅で、木火(印と比劫)のグループを形成して非常に自我が強いです。年支と月支に丑と子があります。これは湿った土と水の十二支であり、強い火に取り囲まれて逃げ場がありません。また財である庚も木と火に囲まれています。命式内で異質な干支は制御されるものであり、強い五行に制御されるほど、制御された側の五行に関するものを手に入れることが出来ます。
この命式では制御されるのは子と丑と庚です。子は官殺であり名誉・出世運です。となると常にトップを目指すモータースポーツの世界では非常に有利になります。月支の丑の蔵干は己辛癸で、辛(財)と丙は合する関係です。日干と合する物なのでこれは自分自身は欲しい物になります。丑は金の墓でもあり、財の墓でお金を生むものと解釈出来ます。時干にある庚は財で、これも木と火に取り囲まれて制御されています。
丑は土の五行で食傷になります。日干が生じるのは好きな五行であり、自分自身が追い求めるものや自己表現となっていて非常に良い組み合わせです。丑土は金の墓で金属が集まる場所という事で、工場やガレージなどの意味がありますから、F1のイメージにピッタリです。金は財になりますからこれでお金を稼ぐ意味にもなります。
丑の隣接する日支には午があります。午と丑は盲師派では相穿(そうせん・六害ともいう)という関係になります。相穿は側面からの打撃という意味で、冲より地支を破壊する力が強いので注意しなければなりません。日支の午は配偶者の場所になりますので、午が丑と相穿関係になり安定しません。従ってなかなか結婚できません。しかし、午は子と合して蓋をされた丑を破壊するので財の墓の中身が出るということで、大金を手にすることでもあります。
では、いくら命式の組み合わせがいいからって、なぜ長い間トップを取り続ける事が出来たのでしょう?。スポーツ選手は活躍する時期に健康な肉体を維持することが求められます。日干が弱いと安定したコンディションを保つことが難しくなります。特に自分の肉体を使って稼ぐパターンは劫財が多くて少ない財や官殺を制御するのが良いです。劫財は自分自身を表し、この命式には三つありますので問題はありません。
もちろん、大運の流れにもよります。F1デビューは22歳(2007年・己卯の大運)の時で、翌年の23歳(2008年・戊子)の時にはすでに史上最年少の年間ワールドチャンピオンに輝いています。丑の蔵干の己が表に出て同時に丑を強め、卯は木を強めて有利な流れです。
しかし、卯は午と相破(そうは・盲師派独特の概念)の関係になって午が壊されます。子も相破で同時に壊されますが、火を生じないので丑を制御するには少し弱いです。実際、2014年(29歳・甲午年)までは優勝からは遠ざかっていました。その年の甲は火を強め、午は丑を破壊し、子を冲して丑の合を解き、大運の卯を破ります。2015年(30歳)から庚辰の大運に入って卯が無くなり、邪魔するものがいなくなりました。庚は財そのもので弱い官殺を助けるものになります。そういうことから安定して優勝できるようになったと思います。
※子と卯、卯と午の関係が相破。子と午は卯を破ることができて、卯は午と子を破ることができる。その上、子は木を生じることが出来ないし、卯は火を生じることはできない。
ここで、ハミルトンの直接のライバルであるレッドブルのマックス・フェルスタッペンの命式を見てみましょう。
1997年9月30日10:00生まれ
日干は乙で、日支に巳酉丑の三合局は揃って官殺である金が最強です。このままだと強い金が日干の乙を剋して悪そうですが、年干を見てください。食傷である丁が囲まれて完全に制御されています。ただし、丁が弱過ぎるので、強める木と火が巡ってくる時が運が発展期になります。
小山内式で見ると、官殺(金)と財(土)が隣接していますので、16歳までは官殺と財が巡ってきて通変の調和が成立し結果を出しやすくなります。また、日支に印が隣接しているので、食傷が来れば印と食傷の通変の調和になり特殊技能が発展します。
17歳からちょうど丁が巡って、史上最年少F1デビューしました。23歳(2021年)から蔵干が丁に変わり、火の勢いが強くなって、五行のバランスが取れてより発展しやすくなります。命式の全体から見て火は自分自身が制御したいものとも見れて、ハミルトンはちょうど日干が丙で、丁もあり火が非常に強いです。そういう事からも宿命のライバル関係になったとも考えられます。
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