限定アルバムをだすとは・・
でも実はCDは発売されたばっかりで、新作といっても過去のコンサートの発掘物ですけど。
シューベルト: Symphony No.8/ドヴォルザーク: Symphony No.9 セルジュ・ チェリビダッケ
Schubert/Dvorak: Symphony No 7 新品価格 |
まあ、このCDの詳しい説明はタワーレコードとHMVに書いてありますので、興味を持った方はそちらも見てみてください。
こんな名演がAppleMusicで聴けるわけですよ。
音楽好きにはいい時代ですねぇ・・
チェリビダッケは私の大のお気に入り指揮者です。
実際のコンサートは行ったことはないですが、CDはかなりの枚数持っていますよ。
以前の記事でオーディオぷち地獄にハマッたことは書いたと思うのですが、そのキッカケになったのがチェリビダッケなのです。
最初は普通の安いミニコンポで聴いていたのですが、どうしてもチェリビダッケの音楽を聴くと、もっといい音で聴きたくなるので・・
まずスピーカーケーブル・・
ステレオケーブル・・
インシュレーター・・
もう、安コンポじゃ限界・・
それじゃあ、CDをPCにWAV形式で取り込んで、ipodを新しいアンプに繋げて聴こう・・
うーん、中古のスピーカーじゃだめだ・・
いろいろネットを探していたら吉田苑にたどりついて・・
ディナウディオのスピーカーを買い・・
まだまだ良い音で、チェリを体験したい・・
N-modeのアンプを買い・・
PCオーディオが流行ってるの?
じゃあ、DACを買おう・・
・・・
・・・
・・・きりが無いのでこれぐらいでやめときます。
※オーディオの話は↓の記事に詳しく書いてます。
チェリビダッケは他のクラシック指揮者のCDと比べてみると、あきらかに異質でスゴイのです。
では、どこがスゴイのかまとめてみました。
・オーケストラの錬度がスゴイ
良く言われる表現ですが、オーケストラはヴァイオリンが何人もいますよね?
それが同じ曲を合奏するわけですが、普通は何本ものヴァイオリンが重なった音がしますが、チェリの場合はヴァイオリンがまるで一本で演奏しているようにピッタリと演奏するのです。
DVDでオケの練習風景など見ましたが、アホみたいに何度も何度も同じフレーズを繰り返していました。
音楽に対して一切の妥協を許さないチェリの執念が感じられます。
私だったら、チェリのオケには入りたくありません。
・音色がスゴイ
凄く磨き上げた鏡面仕上げのようなツルツルとした音質で、磨き系とか良くいわれています。
音色に透明感があるにも関わらず、ドイツのオーケストラの特徴である重厚感のある音も出します。
フランスの音楽などを演奏したりすると、ありえないほどの官能的で多彩な音色に、法悦のマグダラのマリアばりに恍惚とします。
ドイツ系の作曲家を演奏するときより、フランス系とかロシア系を演奏している方が私は好きです。
・テンポがオソイ
また、チェリが晩年になるにしたがって、テンポが非常に遅くなってきます。
途中で何の曲がわからなくなってくるほど、ゆったりと音楽が流れていきます。
音が限界まで引き伸ばされる時もあり、そんなときは時間が止まるような錯覚に陥ります。
悠久の音というか、非常に遠い遠い音がするのです。
こんな音を出せるのは、後にも先にもチェリぐらいしか居ないでしょうね。
あ、今回紹介した新譜はテンポはそんなに遅くないです。
オケのテンションと集中力がスゴイです。
・アーティキュレーションがスゴイ
wikiの説明では、「音楽の演奏技法において、音の形を整え、音と音のつながりに様々な強弱や表情をつけることで旋律などを区分すること。」と書いてあります。
チェリのアーティキュレーションは、非常に多彩で緻密で何度聴いても唸るしかありません。
すべての音をきっちりコントロールしている感が半端ないですね。
杖(指揮棒)一つで天上の美音から魔界の轟音に一瞬で切り替えることが出来ます。
まるで音の魔術師です。
・ルックスがスゴイ
まるで、晩年は中世の魔術師とか古代の賢者みたいなルックスをしています。
存在感が強すぎるので、これはオーケストラもチェリの言うことに従わざるを得ないでしょう。
誰の言うことも聞かなそうな意思が強い面構えをして、その上非常に知的だったといわれているので、誰もかないそうにありません。
愛妻家なので奥さんの言うことは聞いていたと思いますが・・
・掛け声がスゴイ
CDを聴いているとわかると思うのですが、時々演奏の重要な箇所で「ティイイイイーーー」というオケに気合を入れる声が聞こえます。
オケの音量より大きいことがあるので注意ですね。
・・・えー、ちょっとおふざけが入ってしまいましたが、演奏は他の指揮者とは隔絶しているのは確かです。
私なりにチェリビダッケの演奏を定義しますと、
此岸(しがん・人間の世界)から彼岸(ひがん・悟りの世界)へ向かうための音楽
ということです。
チェリは晩年、禅の教えに傾倒していました。
実際、仏教に改宗したみたいですから。
クラシック音楽を使って観客と共に悟り(無)に向かうことを目指していたのではないでしょうか。
こんなことを書くと、「この門外漢が!お前にチェリの何がわかる(怒)」と専門家やクラシックマニアから殴りかかられそうなので、ここまでにしときます。
最後に禅の教えが良くわかる名著を紹介しますので、良かったら読んでみてください。
弓と禅 オイゲン・ヘリゲル
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