五行易的 ”沢水困” の見方(64卦シリーズ⑩)

前回は快楽追求型の卦の兌為沢(だいたく)でした。

 

今回はあまりイメージの良くない卦の

 

 

沢水困(たくすいこん)

 

 

です。

 

それでは説明していきましょう。

外卦(上半分)は兌(だ)ですね。

兌自体には快楽、喜び、しゃべるなどのポジティブな意味があり一見良さそうな八卦ですが、もちろんネガティブな意味も隠されています。

人としゃべったり、交流することは楽しいですが、過剰になれば口論となり、快楽を追求すれば、次の快楽を求め不満足になるということで、ここでは 不足 の意味をとります。

また、そこからさらに連想すれば、欠損 などの意味合いが出てきます。

内卦の坎(かん)は水の意味がありますが、その不足、欠損と意味を合わせ、初爻(一番下)が陰爻になり穴が開いている、もしくは坎自体にも穴の意味があり、兌の下にあるので、沢や池から水が漏れて枯渇している状況を表して、困難な状況に陥ることになります。

故に  になります。

 

六親五類や爻位から見ると、世爻(自分)は初爻(一番下)にあります。

初爻は六爻全体を人体に模して見れば脚の爻位であり、自分が歩いていることを表します。

また、世爻には飲食に意味のある妻財があります。

ということは、何か食べながら路上を歩いていることなります。

そのままではそんなに困っているような状況ではありませんが、この卦は六合卦であり、世爻の寅木と応爻の亥水が相合しています。

相合の意味は引っ張る、邪魔されるなどの意味があります。

応爻の五行は水で、ここでは飲み水のことを表し、相手から水のことで邪魔をされて、困っている意味にとれます。

また、世爻のある初爻が脚の意味があるので、応爻に 足を引っ張られる 意味にもなります。

そうすれば、他人に足を引っ張られて、自分がやりたいことができなかったり、邪魔が入って能力が発揮できなかったり、身動きがとれなかったりするので、非常にストレスが溜まりやすい状態を表すのです。

ですが、この卦は五爻(道、外)の兄弟酉金(友達)は二爻(家)の父母辰土(家)と相合して、家にたくさん友達が集まるという意味になり、友人関係は良いことになります。

 

沢水困は四大難卦(坎為水水雷屯水山蹇、沢水困)の一つです。

この卦が出たからって全部がダメなわけありません。

五行易で判断する場合、あくまで用神の強さを吉凶の基準にします。

また、何を占うか?(用神の選定)でも意味が変わってきますので、基本的には参考程度で良いかと思います。

 

 

※五行易は月日の十二支からの影響を見て、用神が強いか弱いかで吉凶を判断しますので、下記の説明は鵜呑みにせず、参考程度に留めてください。あくまで、卦自体の象、六親、爻位の関係性から見た仮の吉凶ということです。

 

仕事運 ★★ 用神は官鬼

仕事を意味する官鬼の五行は火で、世爻も木が生じる関係(相生関係)になりますが、ここで注意してほしいのは、世爻が官鬼を生じるということです。

世爻は自分であり、自分が努力したりして動かないと、官鬼の火を強くすることが出来ないのです。

また、世爻は初爻にありますので、地位が低い、下っ端などの意味で、そうすると他人の管理されることで、自分の思うとおりにできなく、苦労が多いこと、発展性が無いことを表すのです。

 

異性運

男性の場合 ★★★★ 用神は妻財

恋愛運、結婚運ですが、実はそんなに悪い卦ではありません。

なぜかといえば、女性の意味のある妻財は世爻(自分)にあり、自分の好みや気の合う女性であることを表しています。

また、応爻(これも相手の情報を表す)も世爻の木を生じる水の五行であり、彼女は自分のことを好きだということです。

また、世爻と応爻は相合関係(六合卦)であり、これは惹かれあう、仲良し、安定の意味がありますから、吉の情報が強まるのです。

 

女性の場合 ★★ 用神は官鬼

これは仕事運と用神が同じということで、似た結果になります。

世爻(自分)の木が官鬼の火を生じて、自分が相手のことを思っていることになります。

モノにするには積極的なアプローチが必要というわけです。

しかし、応爻は相手の気持ちを表す場合もありますから、応爻は子孫亥水で官鬼午火を剋してしまいます(相剋関係)。

これは、相手が官鬼(彼氏、夫)になりたくないことを表すので、世爻と応爻が相合したとしても、あまり良い結果にはならない暗示です。

 

金運 ★★★★ 用神は妻財

これもそんなに悪くないです。

澤水困自体の意味は、上記で説明したとおり良くないですが、五行易はあくまでも、五行の強さ、関係性を中心に判断しますので、参考程度の解釈にとどめます。

世爻にお金の意味のある妻財が来るということは、自分がお金を持っていることを表します。

しかし、初爻は爻位の中では一番力が弱いので、ここでは少ないという意味になり、そこまでの大金は手に入らないでしょう。

ただ、応爻のみ発動すれば、応爻は妻財寅木の原神であり、水が木を育てるがごとく、他人、他所からお金がもたらされることで大吉になります。

 

学業運 ★ 勉強、資格などの用神は父母、試験は官鬼

成績、学習、資格の意味は父母になりますが、五行が土であり、世爻の五行が木です。

自分が父母を剋する関係(相剋関係)になり良くないことで、自ら学習したくないという意味になり、あきらめやすいことになります。

試験運は官鬼ですが、これも世爻の木が官鬼の火を生じないと強くならないということで、非常に努力が必要になります。

また、競争相手の応爻に官鬼を弱める(忌神)五行である水が配当されています。

これは、応爻が試験運に悪い影響があるということで、相手が合格を奪うという意味になります。

 

外出運 ★★★★ 用神は世爻

応爻は目的地になります。

世爻の原神である子孫亥水が応爻にあり、子孫は娯楽、楽しいなどの意味があり、それが世爻を生じて、遊び関係や旅行などには良い組み合わせです。

 

創造力・アイデア運 ★★★★★ 用神は子孫

良いです。

子孫の十二支は亥水です。

世爻の十二支は寅木です。

これは相合関係であり、水が木を生じているので、非常に仲の良い組み合わせです。

澤水困自体の意味からすると、現状は苦労が多いですが、苦労が多いほどアイデアや創造性が発揮しやすくなります。

 

健康運 用神は世爻

この卦は六合卦で、初爻と三爻、二爻と四爻、三爻と六爻の十二支同士が相合関係になります。

相合は引っ張りあう関係なので、病気になればくっつく、離れない、安定の意味になります。

なので、かかったばかりの病気であれば、自分のそのままくっついてしまうということで、治りずらくなってしまうのです。

反対に長い病気であれば、すでに自分にはくっついているので、病状が安定して治癒に向かう暗示になります。

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