前回の水火既済みたいに、世爻の六親の兄弟があるときは少しガッカリします。
何故なら、世爻の兄弟があるということは、我が強くなりやすく、独りよがりになりやすく、仕事運、金運、異性運が悪くなるのです。
そんなとき私は一人で本を読んだり、音楽を聴いたりして思考、想像の世界に逃げ込みます。
仕事運、金運、異性運は外の世界のことなので、自分の思考、想像の世界とは関係ないからですね。
今回は
沢火革(たくかかく)
です。
上半分の外卦は兌(だ)で、沢の意味であり、口であり、水の要素も含んでいます。
下半分の内卦は離(り)で、これは火の意味です。
下が火で、上が口の開いた鍋、すなわち鍋の水を入れ沸騰させている象です。
それに動物の皮を入れて加工している様子を表します。
『革』は動物の皮で、まったく別の形に作り変える意味になります。
故に改めるということで、『革』ということです。
六親や爻位から見れば、三爻と四爻がみな兄弟です。
三爻と四爻は出入り口を表して、内卦と外卦が接する場所でもあります。
兄弟は妻財を剋する五行ですから、お金が入ってこないことを表します。
世爻に兄弟があるので、出費も示します。
これは、貧窮(貧しくて生活に苦しむこと)の象です。
窮は追い詰められる意味であり、追い詰められれば決断せざるを得なくなります。
これは『窮鼠猫を嚙む』の意味に通じて、考え方を根本から変え、行動を変えて行かなければなりません。
何かを変えないと、一生貧窮から抜け出せないでしょう。
故に『革』は改なのです。
この卦は他に変化、改革、加工、改正、修整、組み合わせるなどの意味があります。
以上のことから、金運、仕事運などは、この卦が出ればかなり状況は悪いです(汗)
今までの古い習慣、環境を変えていくことが急務になります。
幸い五爻は偉く強い爻位であり、父母の五行が金で、世爻の水を生じて助けになることです。
父母は年配、先生、本、情報などの意味があります。
自分が運が悪く、追い詰められているのなら、ますその状況を見つめなおして、何がそこまで自分を追い詰めたのか見極めましょう。
そして、原因がある程度わかれば、次は専門分野の先生やプロフェッショナルに教えを請うべきです。
また、澤火革は自己啓発の意味があります。
自己啓発本から大きな気づき、変化のキッカケを得やすいときです。
周りから意識高い系と揶揄されてもかまわないので、積極的に読んで勉強しましょう。
※五行易は月日の十二支からの影響を見て、用神が強いか弱いかで吉凶を判断しますので、下記の説明は鵜呑みにせず、参考程度に留めてください。あくまで、卦自体の象、六親、爻位の関係性から見た仮の吉凶ということです。
仕事運 ★★ 用神は官鬼
あまり良くないです。
官鬼の五行は土であり、世爻の水を剋しているからです。
水は柔軟性を表しますが、悪い意味でいえば優柔不断です。
剋される側は管理されることを示して、相手の言うがままになりやすいです。
なので、イヤな仕事を押し付けられたり、仕事が辛いと感じやすくなるので要注意です。
世爻と三爻の同僚の意味のある兄弟が並んでますので、同僚との仲は良い暗示です。
異性運
男性の場合 ★★ 用神は妻財
用神である妻財午火が世爻の伏神となり、自分が彼女や妻を持っている暗示ですが、世爻が水であり十二運では絶であり、非常に関係が悪くなりやすいです。
世爻が水で、妻財が火ですから、水が火を剋するという関係で、自分が相手に不満を持ったり、怒りやすくなったり、責めたりしやすくなるので要注意です。
女性の場合 ★ 用神は官鬼
用神である官鬼丑土は二爻にあり、二爻は家の爻位で、家に男性がいるか、もしくは男性側の家の意味になり、官鬼が土で相剋する関係で、どちらにしてもあなたが寄り付かなくなる暗示です。
また、六爻に官鬼がもう一つあります。
六爻は遠方、離れるの意味があり、世爻を剋して、相手が去って行きやすい暗示です。
金運 ★★ 用神は妻財
あまり良くないです。
世爻に妻財が隠れて伏神になっているのは、お金を持っている暗示になり、良い組み合わせなのですが、世爻に忌神である兄弟があり、三爻にも兄弟があります。
これは、二つの兄弟が妻財を剋してしまうことで、しかも両現(再現)しています。
上記でも説明したとおり、澤火革は困窮の意味があり、三爻、四爻はお金の出入り口を表して、お金を使い果たす暗示なのです。
が、妻財が強ければ、ある程度のお金は持っていることで、出費が非常に多いという意味になります。
学業運 ★★★ 勉強、資格などの用神は父母、試験は官鬼
勉強、資格の意味のある父母が五爻にあり、五行は金で世爻の水を生じます。
これは、五行の関係性では非常に良い組み合わせで、良い本や情報、先生に恵まれやすいことで、自分と相性の良い勉強や資格になります。
世爻のみ動爻(独発)になれば、自分の希望通りになるという暗示です。
試験運は良くないです。
順位の意味のある官鬼の土が世爻を剋してしまうので、自分の希望通りの順位にならないということになります。
しかし、他人を占った場合は、世爻はあまり関係ありませんから、官鬼が強ければ合格する暗示です。
外出運 ★★ 用神は世爻
あまり良くないです。
世爻(自分)が水で、応爻(目的地)が木で、水が木を生じる相生関係ですが、世爻は生じる側なので、体力や精神力を消耗しやすいです。
応爻には楽しい、娯楽の意味のある子孫があるので、楽しい外出になりそうですが、羽目を外したり、はしゃぎすぎたりすれば、一転凶になる暗示です。
創造力・アイデア運 ★★★ 用神は子孫
まあまあです。
三爻、四爻(世爻)に子孫の原神である兄弟が二つあり、子孫を強める関係です。
父母の十二支は酉金で、酉は西の方角であり、西洋を表します。
また、酉は金で音の意味になります。
特に西洋音楽を聴けば、外卦の兌と象が一致して、応爻の子孫卯木と相冲関係となり、創造力を刺激してアイデアが浮かびやすくなります。
また、澤火革には『革』の字がありますので、革新的なアイデアが生まれやすい暗示でもあります。
健康運 用神は世爻
世爻が強ければ問題ありませんが、官鬼が両現(再現)して強ければ、世爻を剋してしまい、官鬼は病気の意味で、病気が多い暗示です。
世爻にある十二支は亥水であり、水関係の病気を示します。
水関係は経絡で言えば腎、膀胱系を表し、四爻も体の中心部(腰、背中)を表して、泌尿器系の病気に注意です。
また、世爻と同じ十二支である亥水が三爻(ベッド、寝室)にあり、睡眠関係も乱れやすくなります。