五行易は周易やタロットなどの他の卜占と一線を画すところは、六親五類、世爻と応爻という概念があるからです。
これによって、運と自分との具体的な関係、自分や相手の状況などを分けて判断することができるようになりました。
六親五類については前に説明しているので、今回は世爻と応爻について書いていきたいと思います。
まずはこの図を見て下さい。
風山漸から沢山咸に変わるという卦ですが、三爻に『世』、六爻に『応』と書いてありますね?
これが世爻と応爻の場所です。
※六十四卦により世爻と応爻の場所が違いますから、六十四卦納甲表を参考にして下さい。
世爻(せこう)とは自分自身、自分がいる場所を表します。
なので、自分の健康や安全、外出する場合には世爻を用神とします。
世爻は六親ではなく爻位自体に組み込まれていますから、占うたびに出た卦によって六親が変わります。
これは六親が入る容器みたいなものだと考えればわかりやすいです。
当然、容器ですから何の六親が配置されているかで、吉凶が変わってくる可能性があります。
用神か用神を助ける六親が世爻にある場合にはもちろん良いことですが、用神を弱める六親がある場合には、それだけで不利になります。
なぜなら、六親自体に相生相剋があるからです。
応爻(おうこう)とは世爻と相対するものや場所を表します。
平たく言えば他人、他人がいる場所です。
そのため、恋愛の相手、夫、妻、目的地、他人の意味にもなります。
ただ、応爻を用神とするのは、あまり知らない人や他人の場合だけです。
普通は六親から用神を選んだほうがよく、その場合には相手や目的地の状況などの副次的な意味で判断していきます。
世爻に官鬼がある場合・・
仕事、出世、合格、有名、女性の異性運などを占えば基本的に有利です。
なぜかといえば、世爻は自分ですから、自分のところに官鬼がある、つまり自分がコントロールできる場所にあるということです。
また、自分が所有している、自分が気に入っているなどの意味にも派生します。
そういう理由から、用神が世爻にあれば吉になりやすいのです。これは他の六親でも同じです。
世爻に妻財がある場合・・
金運、収入、紛失、男性の異性運などを占えば有利です。
試験、資格、成績などを占えば不利になります。
世爻にあるということは、金運が自分のところに来ている、お金はすでに持っている、結婚している、付き合っている彼女がいるなどの意味になります。
世爻に兄弟がある場合・・
友人、兄弟との仲、試験、資格などには良いですが、お金の損、争い、エゴなどの意味があり、基本的にはあまり良い六親ではありません。
世爻に父母がある場合・・
成績、試験、資格、連絡、契約、家などを占えば有利ですが、子孫を剋してしまう為、子供の病気、出産などを占えば不利になります。
世爻に子孫がある場合・・
外出、余暇、出産、治療、健康などを占うなら有利ですが、進学、仕事、女性の異性運を占う場合には不利になります。