諸口悦久実占録の中から、興味深い例があったので紹介したいと思います。
占例9 東京興業の株を買って利あるや否やを占う
断じて曰く、買うに利あらず。
巳日より下がると断ぜしに、果たして己巳日より下がりだし、巳月に入りて益々下がれり。
この株、最高百三十円になりしことありしが、占日常時五十円なりし。巳日に至り十円下がり四十円となり、巳の月に入りて三十円に底下せり。
・これ皆亥水の財爻、冲絶に逢う日月なり。
これは株価を占った例ですね。
この卦では妻財は月日から剋されて弱いです。
忌神である兄弟も発動しています。
巳火は妻財亥水の絶で応期になり、巳日から下がり翌月の巳月には益々下がったとあります。
良く見ると、兄弟丑土は月日から生じられ回頭生で強すぎて、三爻の兄弟辰土も日に冲されて暗動して、忌神の太過になって逆に上がると判断する人もいるかも知れません。
しかし、この卦では妻財が再現しています。
兄弟丑土も回頭生ですが、空亡で初爻の妻財子水と相合してこれも空亡です。
そうすれば、この卦は忌神の太過では無いと判断できます。
※太過の条件については→五行易実践編②へ
兄弟辰土が暗動して妻財亥水と子水を墓に入れているので、墓を冲開するのは巳火か午火です。
巳火は水の絶で妻財を弱めると同時に、午火より先に来ます。
そういうことから、巳日から下がり始め、翌月の巳月に入るともっと下がったのでしょう。