断易精義は私とは少し違う見方になりますが、占例・解説・質疑応答が豊富で非常に参考になります。自分なりの五行易の見方が確立してくると当然マンネリ化してきますので、自分とは違う判断方法(考え方)を読めば、思考の刺激になって新たな気づきが生まれやすくなります。
占例145
寅月丙午日(空亡ー寅卯)に、店を貸したいが貸し手はいつ現れるか?を占い、水地比が地雷復に変わる卦を得ました。
初爻の未兄は合住のため動けず、話はあっても駄目となる。
五爻戌兄合して来るは同業者の借り手ありとする。
時期は世爻空を脱する卯月である。
これは断の通りであった。
ちょっとこれだけでは用神が何なのかはわかりませんが、この場合には世爻の空亡が明ける卯月を応期としています。
基本的には店を貸す場合には、家・店舗の意味のある父母を用神とします。
父母巳火は二爻にあり月に生じられて日と同じ五行で強いです。
世爻の卯木は父母の原神で店舗を借りて欲しい気持ちです。
五爻の戌土が発動して父母を墓に入れ、初爻の兄弟も発動して世爻の卯木を墓に入れて、借り手がいなくて悩んでいます。
応爻は借り手の意味で、忌神である妻財子水があって日から冲されていますが、月からの助けなく土の五行が発動して剋され暗動で不利になりませんが、もともと父母の忌神なのでなかなか貸し手が見つからない意味です。
翌月は卯月であり、世爻の空亡を明けさせて父母が強くなり、兄弟戌土を相合して動きを止め、初爻の兄弟未土を剋して有利です。
また、戌土の変爻に亥水があり、未土が発動していますから、木の半局になっているので、卯月が巡ってくれば亥卯未の三合局になって見つかるとも判断できます。
この例のように、兄弟戌土は父母巳火の墓であり、墓は「手に入れる」などの意味がありますので、同業者(兄弟=自分と同じ立場)の借り手とも見てももちろん大丈夫です。
動爻の応期は実か合ですから、卯木は世爻の空亡を明けると同時に戌土と相合しますので、応期になり得ます。
このように、いろいろな側面から卦を見れるようになると的中率が増していきます。
大黒天さま
質問です。
「初爻の兄弟も発動して世爻の卯木を墓に入れて、」
とありますが、この場合は合住していても墓に入れるのでしょうか。
墓に入れると見ます。