日本の五行易・断易の研究が明治・大正・昭和の激動の時代に進みましたので、非常に興味深い占例が多いです。
今回は大東亜戦争開戦の年の例を読み解いていきましょう。
占例48
本年内に日米英戦争ありや否やを占う(昭和16年8月16日)
断理に曰く、この卦六合卦。
和平の卦といえども、用神官鬼と子孫の様相を見るべからず。
未だ卦のみにては安んずるを得ず。今官鬼を見るに、午火なり。
休囚すといえども、初爻寅木暗動し来り、これを生ず。
全然無用というべからず。上爻の未の父母は進神に化して、動き来たりて官に合し、子孫を剋す。
子孫、日月に長生といえども、父母もまた長生なり。
これは結構難しい卦ですね。
基本的に心配しているなら、官鬼が弱くて子孫が強ければ大丈夫です。
子孫は月日に生じられて強く、官鬼の方が弱いので開戦しなさそうです。
諸口氏も官鬼を用神としているようですし。
しかし、六爻に父母未土が独発しています。
父母は子孫を剋して、官鬼と相合して戦争の意味を強めます。
また、世爻が月破日破で弱くて父母未土の墓に入り、安寧が破られて悩みが深くなる情報です。
よって戦争に突入すると読めます。
実際、日本が1941年(昭和16年)12月8日にアメリカ、イギリスに宣戦布告しました。
暦に直せば巳年庚子月庚寅日ですね。
問いのスパンが今年ですから、戦争が始まると判断すれば月が応期になります。
災い、戦争の意味の官鬼午火は父母未土と相合していますから、合は冲を待つということで、応期は子月になったのでしょう。
困から訟という変わり方も争いを感じさせますが、世応が相生関係にあると判断に迷いますね。
そうですね。世爻が日本、応爻を英米になりますから、相生関係だと戦争は無いと思いそうです。ですが、独発した父母未土は必ず何らかの情報がありますので、そこを中心に推察することが大事だと思います。