自由への旅  ウ・ジョーティカ(魚川祐司 訳)

今回は久しぶりに本のご紹介となります。

先月からマインドフルネスにハマりまして、日課としてウィパッサナー瞑想を続ける毎日です。

マインドフルネスを一週間ほど続けてみた感想

 

呼吸による癒し ラリー・ローゼンバーグ も良かったのですが、もう少し瞑想のやり方や注意点を書いてあるガイドブックがほしくなりまして、その中で出会ったのが、

 

自由への旅  ウ・ジョーティカ (魚川祐司 訳)

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です。

 

訳者の魚川祐司氏ですが、ネット上では ニー仏 として活動されている人ですね。

今月のオススメ本として紹介している 仏教思想のゼロポイント ですが、この本を読んで、今まで私が仏教に対して持っていた誤解を見事に雲散霧消してくれたのですね。

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仏教思想のゼロポイント 「悟り」とは何か [ 魚川祐司 ]

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まあ、この本は難しい題材を扱っていて(特に日本は仏教国として長い歴史がありますから、いろいろあったと推測しています)賛否両論があるとは思いますが、

 

 

私は好きですね。

 

 

ゴータマ・ブッダのいう悟りの本質をここまで明快に理論的に説明しているのは素晴らしいです。

やはり、理屈で仏教を学ぶというのも必要だと痛感してしまいました。

まさに目からウロコとはこのことですね。

 

以前はブッダに対して、あまり良いイメージ(手塚ブッダや日本的な大乗仏教の考え方を含めての影響)を持っていなかったのですが、これは・・

 

 

実にクールで理論派のブッダに危うく惚れてしまいそうです(汗)。

 

※あくまで私の主観ですけどね・・

 

この本を読んだ感覚は、クラシック評論家である 許 光俊 が書いた クラシックを聴け!を読んだときの感覚を思い出します。

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圧倒的で大胆な構成力、言葉使いの流麗さ、説明するのにもクソ難しいジャンルの「クラシックとは何か?」とういう最大級の疑問を、右や左もわかなない初心者に向けて豊富な切り口で、時には激しい表現で読み手の感情を引き付けつつ、飽きさせずにクラシックの本質を理解させるというアクロバティックなことを行っている名著です。

クラシックに対してアレルギーのある人にこそ読んでほしい本です。

 

何か話がそれてしまったので、元に戻します。

自由への旅ですが、冒頭部分を読んだときは何か甘ったるい表現の文章で、拒否反応が出ました。

まあ、要するに説教くさかったわけです。

周りの人に感謝を持って優しく接しろとか、瞑想に適した静かな環境を整えろとか、瞑想する前にブッダの姿をイメージしろとかですね。

 

そんなの読みたくないんだよなぁ・・仏教思想のゼロポイントとはかなり表現が違うなぁ・・もっとハードでキレッキレッな感じが良いなぁ・・と煩悩丸出しで頑張って読み進めると、除々にこの本の凄さがわかってきました。

じっくりゆっくり読むだけでも、軽い瞑想状態になっていくというか、気づき(マインドフルネス)の塊みたいな本なのです。

特に中盤から後半にかけては、凄い表現のオンパレードです。

かなり、ヴィパッサナー瞑想の深まり方、進み方というのを、懇切丁寧にかつリアリズム溢れる言葉で緻密に描写していきますから、特に後半はなかなか読み進められずに、少しづつゆっくり読んでいました。

 

なぜかというと、一字一句も読み飛ばしたくなくなくなるからですね。

瞑想のスーパーリアリズム的描写とも申しましょうか、もちろん内的世界の説明なので、抽象的なモノなはずなのですが、なぜか現実世界よりありありと現実的に感じてしまうような・・

個人的には、この本の通りに瞑想を進めていけば、「本当にそうなのだ」と心から納得できそうな予感はあります。

 

まあ、そういうことなので、 自由への旅 を瞑想の筆頭指南書に決定しちゃいました。

瞑想中はいつも傍らに置いています。

この凄さは読んでみないとわからないと思うので、興味のある方はぜひ 仏教思想のゼロポイント とセットでお読みください。

 

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