唐突ですが、占いの上達の秘訣の一つをお教えしましょう。
それは「卦側(情報を伝える側)の都合も考えよ」です。
それでは占例を見ていきましょう。
占例 211
占日 辰年寅月庚寅日(空亡ー午未)
占的 主人遠国に赴き、久しく音信なく其の在る所を知らず。その安否を占う。
用神は主人(夫ではない)なので、父母を用神としています。
父母未土は月日に剋されて空亡で真空で凶です。
なのに、二ヶ月後の辰月に帰ってきて、三年を過ぎた未年に病没したとのことです。
これは、かなり難しい卦ですね。
弱くて空亡なのに、なぜ帰ってきたのか?なぜ未年に亡くなったのか?
というのが問題です。
占いには、
遠くを占えば近くが応じ、近くを占えば遠くが応じる
という性質があります。
今回の場合は主人が帰ってくるかどうかを占ったわけですが、これが近くのことになります。
主人が未年に亡くなってしまうことが、遠くになります。
どちらかというと、主人の寿命の方が占い的には重要なことですから、それを先に表現したのかもしれません。
ですが、この卦で辰月に帰ってくると判断できないこともないです。
すでに用神の父母未土が世爻にある時点で有利です。
また父母未土が空亡で月日からの剋を避けています。
紛失や尋ね人どうかの占いは、世爻が空亡なら帰って来やすいという古来からのパターンがあります。
なので、これも有利です。
そして辰月に帰って来たことですが、父母が再現していれば墓が応期になる可能性が高くなります。
なぜなら、分散した父母未土のエネルギーが集約するという意味もあるし、墓は動きが止まるという意味もあるし、辰土は六親に直せば父母の意味にもなりますから。