今回は私の友人の例です。
友人が勤める障害者施設で不特定多数の利用者に湿疹症状がでました。
どうやら疥癬(かいせん)が疑われるということで、「湿疹の原因は本当に疥癬か?」と問い、沢火革の動爻なしの卦を得ました。
わざわざ病気の原因を占うので、官鬼が用神となります。
二爻の官鬼丑土が月破で弱いので、疥癬では無いと判断しそうですが違います。
玄武+官鬼+土なので、湿疹の情報であり、月破なので皮膚が傷ついたり、破れたりする暗示です。
六爻にも官鬼があり、未土は月と同じなので強いです。
螣蛇は虫の字があるので、虫関係を表します。
疥癬の原因はヒゼンダニの感染症なので、意味は一致します。
ここでわざわざ官鬼が再現するということは、症状の変化を表したり、螣蛇の意味と合わせれば、二爻から六爻に移動するということで、感染症(広がるもの)の意味になります。
未土の原神が伏神で相合しています。
相合は重なるという意味で、伏神は隠れる、内部、見えないの意味がありますから、皮膚内に隠れるものです。
また、月は外で六爻も一番外側で外側からもたらされた病気とも捉えられます。
そうすれば、これは疥癬の可能性が高くなります。
では、利用者自体はどの用神を見ればいいかという問題ですが、他人なら応爻です。
しかし、一応仕事としてみている利用者ですから、これはどうしたら良いのでしょう?
ちょうど、応爻には子孫があります。
子孫は子供(生徒)の意味がありますが、利用者を子供みたいに思っていれば用神になります。
※例えば高齢者の施設で、利用者を祖父や祖母みたいに思っているのならば父母になり、友達みたいに思っているのならば兄弟です。年は関係ありません。自分がどう認識しているかで変わります。
本当にドライに他人みたいに認識していれば応爻になりますが・・(汗)
友人に確認すると「子供みたいに思っている」ということなので、子孫が利用者になります。
子孫卯木は初爻にもあるので、初爻は子供の爻位であり、しかも応爻にあるので、ここを見れば間違い無いでしょう。
子孫卯木は日に生じられて強いです。
しかし、空亡で病気の意味の白虎があります。
子孫の原神は兄弟亥水です。
兄弟亥水は月の未土に剋されて弱いです。
青竜は痒み、朱雀は炎症で、官鬼未土は疥癬であり、卯木は未土の墓に入るので、それによって苦しんでいます。
でも、子孫は日から生じられて強いので治ります。
疥癬は薬を飲めばすぐにヒゼンダニは死にますが、すぐには湿疹が治りません。
官鬼が再現すれば疥癬が広がるという意味で、完全に治るには時間がかかるでしょう。
なので、応期は日ではなく月で見ます。
卯木が空亡の場合の応期は実(卯)か冲(酉)です。
結果:
検査したら皮膚からヒゼンダニが見つかったので、疥癬でした。
1人が治っても、他の利用者に感染してしまい、なかなか収束しません。
結局、完全に疥癬が収束するまで、翌年(亥)の卯月までかかりました。
※2018年7月に占っているので、大体8ヶ月後です。