五行易的 ”風山漸” の見方(64卦シリーズ-56)

前回は信頼という意味がある風澤中孚でした。

風澤中孚は遊魂卦であり、フラフラ出歩くという意味があります。

それで、思い出した映画があります。

私の敬愛する三木聡監督作品の『転々』という映画ですが、題名も遊魂卦の意味そのまんまですね。

内容は述べませんが、観ていない人はぜひ観てください。

素晴らしい作品なので。

 

 

今回は艮宮グループ最後の卦である

 

 

風山漸(ふうざんぜん)

 

 

です。

上半分の外卦は巽(そん)です。

巽は風であり、狭いところでも自由に入ることが出来ることから、『入る』という意味があります。

下半分の内卦は艮(ごん)です。

艮は山であり、山は不動なので、『止まる』という意味があります。

外卦は外側で、内卦は内側で、つまり、外から内に入ってから止まる意味で、故に進入になります。

そして、進んでは止まり、進んでは止まることになるので、着実に少しづづ進んでいくことを表す卦なのです。

『漸』自体の意味にも、物事が徐々に進むという意味があります。

 

六親や爻位を見れば、自分の意味のある世爻に子孫があります。

官鬼は官位の意味があり、五行は木です。

子孫は金の五行であり、官鬼の木を剋します。

これは本来、自分には官位がないことを表します。

しかし、五爻は偉い人の爻位です。

五爻の十二支は巳火であり、世爻は申金です。

これは、十二支の相合関係であり、巳火が申金と相合して、五爻が世爻を引っ張り上げる象です。

つまり、現代風に解釈すれば、上司に引き立てられて昇進する暗示なのです。

これらのことから、風山漸は進入・前進・発展・接近・陳腐などの意味があります。

 

パッと見では、世爻に子孫があり、官鬼を剋するということで、仕事運は悪い感じがありますが、風山漸自体が、上司に気に入られる意味があるので、安心してください。

でも、金運は悪いので心配してください(汗)

 

また、この卦は帰魂卦(きこんか)です。

内卦の天(三爻、陰爻)、地(初爻、陽爻)、外卦の天(六爻、陰爻)、地(四爻、陽爻)が同じ陰陽の組み合わせになり、帰魂卦になります。

帰という漢字がありますから、遊魂卦(ゆうこんか)と意味が逆になり、帰る、安定、保守、家に居るなどの意味になります。

 

 

※五行易は月日の十二支からの影響を見て、用神が強いか弱いかで吉凶を判断しますので、下記の説明は鵜呑みにせず、参考程度に留めてください。あくまで、卦自体の象、六親、爻位の関係性から見た仮の吉凶ということです。

 

仕事運 ★★★ 用神は官鬼

そこそこです。

基本的に世爻が官鬼を剋する形は、仕事がうまく行かない、嫌うという意味なので、あまり良い組み合わせではありません。

しかし、この卦は風山漸ですから、着実に進んでいくということで、コツコツとやっていくには問題がないです。

そして、一番良いのが、五爻と相合するということです。

これは上司や目上の人に気に入られる暗示です。

そういうことで、この組み合わせの悪さを相殺する意味になるのです。

 

異性運

男性の場合 ★★ 用神は妻財

良くないです。

世爻の五行が金で、妻財の五行が水で相生関係ですが、妻財が五爻に隠れて伏神です。

伏神の時点で、若干弱くなり、不利になります。

ただ、飛神である父母巳火が、妻財に剋される五行であり、妻財が外に出やすいことを表して、若干の救いはあります。

しかし、応爻は相手であり、男性の意味のある官鬼があり、相手は他の男性を作りやすい暗示です。

 

女性の場合 ★★ 用神は官鬼

良くないです。

官鬼は相手の意味のある応爻にあり、悪くはないですが、世爻が金であり、官鬼を剋する五行です。

金は固いモノを表しますから、ここでは強情、頑固、強い心を表しています。

木は優しいという意味で、応爻は六爻にあり、退出の意味があります。

これは、自分の気の強さが災いして、優しい相手が去っていく暗示になります。

女性の場合、子孫が世爻にあれば、必然的に官鬼を剋することになり、男性運があまり良くないことを表しやすいです。

 

金運 ★★ 用神は妻財

基本的に良くないです。

用神である妻財が伏神で隠れているということは、その時点で、卦に現れていないということで、不利になります。

しかし、この卦はちょっと特殊です。

五爻は強い爻位であり、五爻に妻財があるということは、大金ということです。

ひょっとすると、妻財が外に出てくるときに、大金が入るかもしれません。

しかし、妻財は水で、応爻を生じる五行で、他人の懐に入る暗示でもあり、結果的にお金が自分に回ってこないのです。

 

学業運 ★ 勉強、資格などの用神は父母、試験は官鬼

勉強・資格運は悪いです。

父母が二爻にあり、二爻は家で、風山漸は帰魂卦です。

そうすれば、家にこもって勉強する暗示ですが、父母の五行は火であり、世爻を剋してしまいます。

これは、家で落ち着いて勉強できないことで、勉強できなければ資格も遠のくというものです。

 

試験運も悪いです。

応爻は他人、ライバルの意味があり、合格の意味のある官鬼があります。

これは、他人が合格する暗示です。

世爻は官鬼を剋する五行であり、六爻は終わりという意味で、これも合格が遠のく意味があります。

 

外出運 ★★★★ 用神は世爻

良いです。

世爻に喜びの意味がある子孫があり、楽しい外出でしょう。

世爻が強くて、応爻の官鬼が動爻になれば、外出先で有名人に出会えるかもしれません。

※私は外出先で、芸人の小峠さんを見かけました(笑)

 

創造力・アイデア運 ★★★★ 用神は子孫

良いです。

世爻に創造性・表現の意味のある子孫があります。

これはすでに、創造性があなたのところにある暗示です。

放って置いても勝手にアイデアが出てくるので、ノートに書きとめたりしてアウトプットしておきましょう。

 

健康運 用神は世爻

自分自身の意味のある世爻に子孫があり、基本的には健康という組み合わせです。

が、初爻のみ動爻になれば、足の病気、怪我、ストレスに注意してください。

また、五爻に忌神である巳火があります。

五爻は顔、五官の爻位で、巳の五行は火なので、目や心臓を表しています。

もし、世爻が弱くて、五爻が動爻になれば、目や心臓の病気に注意です。

 

 

 

爻位(こうい)の意味

 

 

 

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