五行易で方角をぴったり当てるのは、至難の技です。
何故なら卦としての構造的な問題があり、吉凶と同時に方角も表すことが難しいからです。
行方不明の場合ですが、基本的には
①用神の吉凶
②いつ見つかるか?帰ってくるか?(応期)
③方角や副次的な情報
が判断する上での優先順位になります。
でも、占う(問い)の内容によっては①と②と③が混ざったり、②と③の順番は変わったりしますので、そこは卦の動きを臨機応変に見ていかないといけません。
これは、2016年に北海道で男児が行方不明になったニュースを見て占った例です。
まず、ニュースを見て占うのですから、用神の選定は慎重に行います。
なぜなら他人だからです。
他人の吉凶なら行方不明の場合は用神は応爻になりますが、応爻は父母亥水があります。
が、月破になり日と相合して、月破が解かれていますが、五爻の忌神が発動して父母亥水は弱いです。
応爻は主卦(本卦)に現れています。
占ったのは子供が見つかっていない段階の6月1日(5月28日庚戌)ですから、少し状況に合いません。
次に子供の意味のある子孫を見てみます。
子孫午火は四爻に伏神で隠れています。
五爻の戌土は火の墓であり、発動して入墓させています。
伏神は見えないという意味で、墓もどこかで動かなくなっている暗示です。
卦の特徴としては、こちらの方が行方不明になった(見えなくなった)状態に合っています。
なので、こちらを用神とした方が良いでしょう。
子孫午火は月日の助けがあり強いです。
原神の兄弟寅木も隠れていますが、月の五行と一致(比和)して強いです。
五爻に墓である戌土が発動していますが、変爻が父母子水に変わります。
六爻も父母子水に変わり、変爻は子孫の原神である兄弟寅木になります。
子水は午火と相冲して、伏神の場合には隠れたところから出しながら、原神に変わるので、これは有利な情報です。
なので、子供は無事に見つかるでしょう。
次に応期ですが、子孫午火は伏神なので、用神自体の地支か、冲するか、飛神を冲するかです。
また、火の墓である妻財戌土が発動していますので、墓の場合の応期は用神を冲するか、墓を冲する地支です。
そうなれば、発動した父母子水が有力候補になりますが、子水は空亡です。
占った日は甲寅日(6月1日)なので、次の空亡が明ける日は戊午日(6月5日)か、甲子日(6月11日)になります。
※6月5日から甲午月に変わります。
また、戌土が墓になりますので、戌土を冲する丙辰日(6月3日)の可能性があります。
なので丙辰日(3日)か、戊午日(5日)に見つかる可能性が高いです。
結果:
6月3日(丙辰日)の辰刻に見つかりました。
東北(ほぼ北)に6〜7キロ離れた自衛隊宿舎に居るところを保護されました。
で、どこから方位の選定をするかと言えば、子水は北の意味があります。
子水は子孫午火を隠れている所から出すので、今回の場合は良い十二支(地支)になります。
玄武も北の意味もあります。
子孫午火は外卦に隠れており、外卦は坎でありこれも北です。
変卦が艮で東北の意味があります。
子水の変爻は寅木に変わって、寅木も東北です。
※変卦、変爻は結果の意味があります。
卦には、北と東北の情報が多いので、その方角から見つかったのでしょう。
ちなみに象意から見れば、父母は建物で空亡で空き家の意味があります。
五爻は道、強い爻位であり、白虎は軍隊関連です。
妻財戌土で父母子水に変わっているので、象意が重複します。
妻財には飲食の意味があり、応爻にも父母があり二爻は家の意味で、朱雀にも飲食の意味があります。