五行易的 ”雷地豫” の見方(64卦シリーズ-26)

前回の震為雷ですが、雷はビックリするほどの激しい音が鳴ります。また、雷はどこに落ちるかわからないので、非常にランダムな性質もあります。でも、その意外性を体験するためにこの世に生まれてきているように感じるのは私だけでしょうか・・

 

・・・今回は、

 

 

雷地豫(らいちよ)

 

 

です。

上半分の外卦は震(しん)です。

前回の震為雷の説明で、轟く、雷鳴などの音関連の意味がありました。

この場合の意味は、鳴く、声などの意味になります。

下半分の内卦は坤(こん)です。

坤は純粋な陰であり、柔順、母、大地、優しいなどの意味があります。

このふたつの意味を合わせると、まさしく母親が子供に語りかけるような、優しく母性に満ちた声になります。

また、震は長男の意味があり、坤は母です。

母親の優しい声はすんなり耳に入り、子供には安心感が生まれ、直接母親に語りかけられているのですから、喜び、喜悦、悦楽が生まれます。

よって、豫(よ)の意味は悦になるのです。

 

六親と爻位の象から見ると、世爻を生じる五行である子孫は、相手を意味する応爻にあります。

四爻は心臓、胸の意味があります。

が、これは世爻の原神で、もっと内面的な状態を表します。

また、五行は火で、これも心です。

六親は子孫で、子孫は楽しい、快楽の意味がありますから、これは心の底から楽しむ状態を表すのです。

世爻(自分)と応爻(相手)は生じあいながら(火生土)、相合しています。

相合は仲良し、通じ合う、離れがたいの意味がありますから、相手と親しく心が通じ合い、自分の心は楽しくなり、愉悦に浸るのです。

よってこの卦は、喜び、快楽、愉快、ユーモア、美しい、喜悦、麗しい、などの意味に派生します。

 

一見良い意味しかなさそうに見えますが、注意点もあります。

人間は快楽が過ぎると、その状態に甘んじて堕落し、依存してしまいます。

世爻が一番低い爻位である、初爻にあるのはその為です。

この卦が出たら、非常に楽しいことが起きやすいですが、羽目を外してしまえば、後悔することになります。

 

 

※五行易は月日の十二支からの影響を見て、用神が強いか弱いかで吉凶を判断しますので、下記の説明は鵜呑みにせず、参考程度に留めてください。あくまで、卦自体の象、六親、爻位の関係性から見た仮の吉凶ということです。

 

仕事運 ★★★ 用神は官鬼

そんなに悪くないですが、世爻が初爻にあり、これは一番下の爻位であり、仕事で重要視されていないことを表します。

官鬼は五爻にあり上司や社長を表しますが、世爻との距離が遠く、応爻に官鬼を剋する五行の子孫午火が割って入り、邪魔が入りやすいのです。

 

異性運

男性の場合 ★★★★ 用神は妻財

世爻に妻財があり、相手を意味する応爻に子孫午火があり、世爻を生じて相思相愛です。

四爻の火は心の意味があり、相手は心から愛してくれるでしょう。

一緒に居て非常に楽しく、気が合う間柄です。

ただ、相手の方が尽くしてくれる関係(火生土)になりますので、その状態に甘んじ調子に乗ってしまうと、六爻にも妻財があり、六爻は退出の爻位ですから、相手は去っていくでしょう。

 

女性の場合 ★★ 用神は官鬼

官鬼が五爻にあり、相手は社会的地位が高いことを表します。

世爻の土と相生関係で六合卦で相性は悪くないですが、世爻が初爻にあり、官鬼とは非常に距離が遠いです。

応爻は他人で、忌神である子孫があり、とかく邪魔者が入りやすいです。

先のことをそんなに考えないなら、一緒に居て楽しい間柄になります。

 

金運 ★★★ 用神は妻財

まあまあです。

世爻に妻財があり、応爻に子孫があり、火が土を生じる関係で、他所からお金が入って来やすいです。

お客さんの意味のある応爻が妻財の原神ですから、商売に向いた組み合わせです。

他人を喜ばせれば喜ばせるほどお金が入ってきます。

 

学業運 ★★ 勉強、資格などの用神は父母、試験は官鬼

勉学には悪いです。

世爻が妻財であり、父母を剋す五行(土剋水)だからです。

ですが世爻に隠れているので、実は勉学に関しては隠れた才能を秘めています。

勉学を楽しめるよう努力すれば、良くなる可能性があります。

 

試験運もイマイチです。

合格(名前の順番、強さ)の意味のある官鬼が五爻にあって、世爻が生じて志は高いですが、官鬼との距離が遠くて高望みしています。

雷地豫の意味自体、楽しい、娯楽ですから、誘惑に駆られやすいのです。

なので、なるべく娯楽に関するものは近くに置かないほうが良いでしょう。

 

外出運 ★★★★★ 用神は世爻

世爻の強さ次第ですが、基本的には良いです。

目的地の意味のある応爻が、世爻を生じる五行であり、六合卦ですから、順調で安定した楽しい外出になる暗示です。

特に、男性が女性とデートするときは非常に有利になります。

反対に、女性が男性とデートするときは邪魔が入りやすいでしょう。

 

創造力・アイデア運 ★★★★★ 用神は子孫

かなり良いです。

他人、他所を意味する応爻に子孫があり、五行は火で世爻を生じて、非常に良い組み合わせです。

これは、自分の外部から刺激を受けて創造力、アイデアが触発されますから、積極的に他人と交流を図るべきです。

また、この卦は六合卦であり、自分が創造力を発揮すればするほど、運が安定してくる暗示です。

 

健康運 用神は世爻

世爻の強さ次第です。

特に、世爻の原神である午火が弱くて、世爻が空亡になる場合などは、心臓、血液系の病気に注意です。

この卦は六合卦で、初爻と三爻、二爻と四爻、三爻と六爻の十二支同士が相合関係になります。

相合は引っ張りあう関係なので、病気になればくっつく、離れない、安定の意味になります。

なので、かかったばかりの病気であれば、自分にそのまま居着いてしまうということで、治りずらくなってしまうのです。

反対に長い病気であれば、すでに自分には居着いてしまっているので、病状が安定して治癒に向かう暗示になります。

 

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