ベテラン横尾忠則ファンの占い師の大黒天です。
以前の記事で、教養の三銃士として紹介しました。
現代日本の代表的アーティストの一人ですね。
これまでたくさんの本を出しているのですが、今回はこの画集の紹介をします。
全Y字路 横尾忠則
価格:4,968円 |
今までの横尾忠則の画集の中で一番好きなものです。
はっきり言うと、他の社会的なテーマの現代美術の作品を観るくらいなら、これを観たほうが良いということですね。
引き寄せの観点からみると、社会的な問題意識から作られた作品は、ジャーナリズムと同じでこの世界にいいイメージが持てなくなります。
ようするに、ネガティブな表現が多くて、それを見た人は本来の自分を傷つけるということです。
つまり、引き寄せ的にいえば、この世界に対して全肯定的である内なる存在(ハイヤーセルフ、魂など)と異なる思考をしてしまい、悪い気分になるということです。
もちろん、社会で人間は生きているのですから、ある程度の常識として犯罪や事故などのリスクは把握していなければなりません。
が、社会的な問題にフォーカスした作品は、必要以上にその問題をえぐりだします。
そんなものほじくりだしても、問題が問題を生み出す無限ループをくりかえすだけです。
そのような作品は芸術作品ではありません。
本来、芸術の役割とは人の霊性を目覚めさせるためにあると思います。
例えば、素晴らしい作品に出会ったときは、われを忘れて感動します。
一瞬でも時を忘れる感覚があります。
われを忘れるとはどういうことでしょうか?
自分とこの作品の区別が無くなったことを意味します。
なぜ、それほど感動したんでしょうか?
内なる存在の新たなる側面を発見したからです。
時を忘れるのは、この世界全体と調和したからです。
あなたと内なる存在とこの世界が完全につながったのです。
そうなれば、あなたの気が浄化されてあなた自身が進化します。
本来の芸術とは、そのような効果を持つものだと思います。
話を戻します。
この横尾忠則の全Y字路ですが、タイトルの通り画集のすべての絵がY字路です。
横尾忠則のこれまでの一貫したスタンスは、言葉や文字などの観念的なものに否定的で、肉体的、感覚的要素の優先です。
なので、Y字路を言葉や文字などを使って観念的思考に理解しようとしても、これらの絵の本質はわかりません。
この画集は理屈では到底わからないような、不思議な魔力を持っています。
これは直接、絵を観て感じるしかないのです。
絵を観ると、まず夢のような浮遊感に襲われます。
Y字路なんてよくある風景ですよね。
でも横尾忠則が描くと、なんだか生まれてはじめて見る風景のような気分になります。
新鮮でもあり、なつかしいような矛盾した感覚です。
今という基点がありながら、同時に過去や未来が確実に存在するような世界。
多分、これは自分自身の人生そのものの体験なのです。
当然、Y字路なので二方向に道が続いています。
これは、あなたの瞬間瞬間の思考の選択を表しています。
行く先は良く見えません。
でも、どちらを選択したとしても、気分が良くなる選択なら間違いないでしょう。
その先にどんな風景があったとしても、楽しめるわけですから。
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