五行易的 ”澤山咸” の見方(64卦シリーズ⑫)

前回は ”望んでもいないのに様々な事象を引き寄せて大忙し” 的な意味のある澤地萃(たくちすい)でした。

 

今回の64卦は・・

 

 

澤山咸(たくざんかん)

 

 

 

になります。

 

まず、卦自体の組み合わせから見ていきましょう。

外卦(上半分)は兌(だ)ですが、この場合は少女を意味します。

内卦(下半分)は艮(ごん)ですが、この場合は少年の意味です。

艮は陽の卦で剛なので、上に向かう性質があります。

兌は陰の卦で柔なので、下に向かう性質があります。

そうすれば、どういう情景が思い浮かぶでしょうか?

 

これは、少年と少女が仲良く交流しているさまですね。

 

少年、少女は純真、無垢の象徴(子供も大人から勝手にそう認識されて、大変だと思いますが・・)ですから、取引や利害関係などとは関係なく、純粋な心が行為と一致している、エゴや邪気が入っていないということで、無為の為ということです。

陰と陽が正しく配置されれば(うまく循環する)、内側、外側にあり、性質は違うながらも心は一つに通いあっている、いわゆるツーカーの仲、阿吽の呼吸的な気の交流(感応)です。

以上のことから、咸(かん)は感の意味に通じているのです。

 

六親五類、爻位から見てみると、自分を表す世爻は三爻にあります。

三爻は門の爻位であり、通路に面して、外界と内界の交流口です。

六爻は天で、父母は情報で、初爻(一番下)は地であり、これも父母で情報です。

父母の五行は土で、世爻は金で、土が金を生む関係になります。

これは、天(時間)と地(空間)の情報が世爻(人)を生じて、自分という交流口を通して心に入ってくることです。

天と地に心で相通じることにより、宇宙のあらゆる情報に感応できることを意味します。

よって、この卦は反応、感覚、体験、理解、交流などの意味を含んでいます。

 

とまあ、若干東洋的で、スピリチュアルな感じの説明になりましたが、天と地の情報に感応するということは、情報量が多すぎて過敏になりやすく、直情的な反応をしやすくなります。

そう、まるで少年、少女のように(汗)。

なので、この卦が出たらあまり感情的にならないように注意すべきです。

 

 

※五行易は月日の十二支からの影響を見て、用神が強いか弱いかで吉凶を判断しますので、下記の説明は鵜呑みにせず、参考程度に留めてください。あくまで、卦自体の象、六親、爻位の関係性から見た仮の吉凶ということです。

 

仕事運 ★ 用神は官鬼

官鬼の五行は火であり、世爻は金です。

これは火が金を剋するということで、仕事内容が自分にとってキツいという暗示です。

よって、仕事運はあまり良くありません。

世爻に兄弟があり、兄弟は我という意味になり、我が強くなりやすく、澤山咸の意味からも、ちょっとしたことで過敏に反応しやすくなり、ストレスが溜まりやすくなります。

特に二爻の官鬼だけ動爻になるのは、もっとも良くないです。

 

異性運

男性の場合  用神は妻財

恋愛も結婚もあまり良くないです。

妻財が二爻に隠れています(伏神)。

二爻の飛神には男性の意味のある官鬼があり、これは相手があなたの他に男性がいることを示します。

相手(妻財)が他の男性(官鬼)に隠れている形の六親五類の組み合わせになります。

よって、相手が他人の所に行ってしまうとか、自分が再婚(婚姻届を意味する父母が二つあるため)をする可能性が高いとなるのです。

また、世爻に兄弟酉金があり、妻財卯木とは相冲関係(不和、闘争、不安定)で、なおかつ金は木を剋する五行になるので、相性が悪い暗示になります。

女性の場合 ★ 用神は官鬼

恋愛も結婚もあまり良くないです。

恋愛を占った場合は、二爻に官鬼があり、女性の意味のある妻財が隠れているので、浮気をしているとか、相手は妻がいるなどの暗示になります。

女性を表す妻財が卯木で、官鬼が火の五行で、十二運から見れば 沐浴(もくよく) ということになり、これはお互いに裸になるような親密な関係だということを暗示しています。

また、澤山咸は何せ少年、少女の意味にもなりますから、気が変わりやすい、付き合いが安定しないなどの意味になります。

特に二爻の官鬼だけ動爻になるのは、もっとも良くないです。

 

金運 ★★★★ 用神は妻財

世爻の金と妻財(お金)の木が相冲、相剋関係で普通に考えれば良くないです。

しかし、応爻(相手、他人)の父母未土が妻財の墓(庫)であり、これは他人がお金を持っていることになります。

それが世爻(自分)を生じる形になり、これは他人がお金を手に入れて、自分に持ってくるという意味があるからです。

よって、妻財が強ければ吉になります。

金運を良くしたいのであれば、他人を大事にして、コミュニケーションをとるようにすれば、運が上がりやすくなります。

 

学業運 ★★★ 勉強、資格などの用神は父母、試験は官鬼

学習運や資格運は良いです。

なぜなら、父母の五行が土で、世爻は金で、これは土が金を生む形になり、有利な組み合わせになるからです。

また、澤山咸は天地との交流を意味するので、さまざまな学問に対して理解力が高まる暗示です。

が、試験運はあまり良くないです。

これは合格の意味のある官鬼が火で、世爻が金で、火が金を剋する形になり、これは金(世爻)にとっては辛い形になるので、合格が難しいなどの暗示になります。

特に二爻の官鬼だけ動爻になるのは、もっとも良くないです。

 

外出運 ★★★★ 用神は世爻

目的地である応爻が、世爻を生じる五行である土なので、問題ありません。

特に、友達や親、祖父母、年上の人と出かけるのは吉です。

ただ、彼氏(夫)、彼女(妻)と一緒に出かけると、相手のちょっとした行動、言動が目につき仲が悪くなりやすいので注意が必要です。

 

創造力・アイデア運 ★★ 用神は子孫

あまり良くないです。

用神である子孫が四爻であり、五行は水です。

世爻は自分ですが、十二支は申金です。

金は水を生じつつ、申金は水の長生であり、あなたには何かを生み出そうとする意欲があるでしょう。

また、世爻は兄弟であり、これは我と同じ五行であるということで、エゴを表します。

自分のエゴ(自我)に正直にならないと、何かを生み出せないのです。

なので、創造力やアイデアが欲しいのであれば、周りのことは多少ほっといても自分に正直になるべきです。

 

健康運 用神は世爻

世爻の強さによりますが、どちらかというと、澤山咸の意味から、体調面より精神面に不調が出やすくなります。

 

3件のコメント

  1. はじめまして。
    今日こちらを知ったのですが、待ってました!という気持ちです(笑)
    断易のサイトをいろいろ探していてもこちらほど求めていたサイトはありません。
    これからも楽しみにしております!

    1. トットさんはじめまして。
      管理人の大黒天です。

      ありがたいコメントありがとうございます。
      大変励みになります。

      これからも五行易(断易)のおもしろさ、奥深さを紹介していくつもりです。
      実際、こんなに楽しめる上に、実生活に役に立つ占いはなかなか無いと個人的には思っていますので。

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