ジャクソン・ポロックの命式を読む

なぜ芸術家や表現者の命式ばかりやり続けるかと言いますと、大体芸術家の命式なんぞは著しく五行のバランスが悪くて良い事象があまりないからです。実際破滅的な人も多いです。大体四柱推命で良く言う「格・貴・賤」ってなんでしょうか。そんな狭い価値観に人間の人生を押し込めて何が楽しいのでしょうか。五行のバランスが良い命式なら平々凡々と安泰に生きれますが、それが何の価値があるのでしょう。芸術はその価値観の外にあるからこそ存在する意義があるのではないでしょうか。

 

1912年1月28日12:06生まれ

前回は美術界の革命児アンディ・ウォーホルでしたが、今回は同じアメリカのニューヨーク派抽象表現主義を代表する画家のジャクソン・ポロックを見ていきたいと思います。ポロックの画法の特徴は「アクションペインティング」とも呼ばれるもので、特にドリッピングという手法を多用しています。

ドリッピングとは絵の具を「したたらせる」画法です。命式を見ると日干に雨、雫の意味のある癸があります。また金と水が多い命式になりますので、命式に絵画の特徴が色濃く現れています。また本人は亡くなるまでアルコール中毒だったのは有名です。

これはもともと日支が卯で空亡で不安定です。時支の午は卯を相破して破壊されそうになっています。なので、非常に繊細で精神的に脆く水は本人を強くする五行で、金は天干に二つあって助けるものになりますが、一方で印は依存という事象も含んでいますので、お酒に依存したのでしょう。

冬生まれの癸ですから暖める火は欲しいです。なので、時柱の戊午が芸術家として成功するには不可欠です。印(金)も官殺(土)も食傷(木)もありますので、独自の世界観を築くということで芸術家には向いた命式です。27歳から戊戌(官殺)の大運が巡ってきます。特に33歳からは蔵干に辛(印)が現れて、通変の完全調和が達成されます。

35歳(丁亥)の時に、床に広げたキャンバス一面に塗料を撒き散らしたり流したりする、独創的でダイナミックなテクニック・スタイルを編み出します。これが後に「アクションペインティング」と呼ばれ、後に美術界に多大な影響を与えます。

37歳から丁酉の大運で、財(火)と印(金)が巡り、独創性と世間に認められるということで、アメリカを代表する画家となります。しかし、アメリカを代表する画家と呼ばれるようになったプレッシャーや、アルコール依存症の再発、新たな画境が開けないなどの理由で、39歳ごろから混迷期に入ります。

なぜなら、時干の戊は日干の癸と干合しており、地支は午であり文化関係の名誉ということになります。なので本人が最も欲しいものです。が、午は日支の卯と相破の関係になっており、成功したことで精神的な打撃を受けます。もともと繊細で脆いですから、そのプレッシャーに耐えきれなくなったと考えられます。

1956年8月11日22時過ぎ(丙申年・丙申月・庚戌日・丁亥刻)、ニューヨーク郊外で若い愛人とその友人を巻き添えに自動車事故を起こし、44歳で亡くなりました。生き残った同乗者によると、ポロックは酒に酔い、ヒステリックに笑いながら猛スピードで車を飛ばしていたということです。

ではなぜ44歳で亡くなってしまったのでしょうか。大運の酉は卯の空亡を開けてしまいます。丁は午の蔵干で大運に現れるということです。そうすれば、卯は午の相破をモロに受けるということで破壊されます。卯は食傷ですからアーティストとして亡くなったのでしょう。

 

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