これまでの芸術家の命式と打って変わって、今回は現役バリバリ天才ミュージシャンのビリー・アイリッシュの命式を見ていきたいと思います。
10代中盤の内にメジャーデビューして大ヒットを飛ばし、去年(2020年・18歳・庚子)の第62回グラミー賞で、主要4部門を含む合計5部門を受賞します。主要部門の独占は39年ぶり史上2度目、女性として初、かつ史上最年少の記録となるほどの凄さでした。
冬生まれの乙です。月干と干合しますが、金が弱いので合化しません。`日支が卯で基本的には強いです。しかし、寒い冬の草花ですから火が欲しいです。また、根を張る土の五行もないので、土も欲しい五行になります。天干の並びで見ると、官殺が二つあり、時干の壬で相生しますから官印相生になり、名が上がりやすくなります。幸い地支に火の地支があり、火は文化であり食傷でもあり表現活動になります。
小山内式で見ると印(水)と官殺(金)の隣接なので、土が巡って来れば官殺と財の調和、火が巡ってくると印と食傷の調和となります。11歳から辛丑の大運で、社会的成功を意味する官殺と財が同時に巡ってきて通変の調和を果たし非常に良い時期です。
盲師派で見れば、木と火、金と水の党派が拮抗しています。ということは本人の表現には二面性があると言うことです。党派が拮抗しているのになぜ成功したかといえば、年支の巳が重要になります。巳の周りには金と水があり、火を制御する形です。
10歳から辛丑の大運であり金が強くなります。また、月支が子の為、子と丑が支合します。支合すれば水の勢いが強くなります。また、辛は丙と干合するということで、巳の蔵干(丙・戊・庚)にあります。巳の上には辛が座して、辛は偏官、丙は傷官となり表現活動で名誉を得るという形になります。
ミュージシャンの最大の名誉と呼ばれるグラミー賞を独占したのは庚子年で、このことからも金と水の勢いが効用を果たすと言うことがわかります。じゃあ、金と水が弱くなればダメかというとそうではありません。
時干に壬がありこれは印綬です。これも名誉の意味があり、木と火が強くなれば党派となり、木と火の囲まれた壬を制御してこれも名が上がることになるので、これまでの成功とはタイプが変わりますが、当分の間は成功が続くとも取れます。
また、午の蔵干の丁と壬が干合しますから、名誉&表現ということで、メジャー向きというよりアーティスティックな路線に行くかもしれません。また、すでにもう大スターになっていますから、成功者の常で社会奉仕系のことをやるかもしれません。しかし、地支は内面や私生活を表しますから、子、卯、午と相破の組み合わせの地支が揃っているので、プライベートに問題が起きやすく精神面でも不安定さを抱えることになります。